第十幕その六
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「随分と熱心に言っていたけれど」
「じゃあそのことをな」
「言うんだね」
「そうさせてもらうよ」
船長に笑顔でお話しました。
「是非ね」
「ではね」
「うん、この娘にも話しておくよ」
「君の名前はバースじゃなくてだね」
「エリックとね」
「そう、確かにね」
「やっぱりそうですよね」
恵梨香もその辺りのことは実はわかっていました、それで言うのでした。
「バースさんじゃないですね」
「そうだよ、わしの名前はエリックだよ」
「はい、わかりました」
「その様にね」
「覚えておきます」
「それではね」
「ええ、これからは」
トロットがここで言ってきました。
「皆でね」
「我々の村に来てくれ」
「バイキングの村に」
「是非ね」
こう言ってです、皆は一緒にでした。
エリックさん達バイキングの人達に案内してもらってバイキングの村にお邪魔しました、そしてそこに行くとです。
質素でかつ頑丈な樫やオークの木で造られた家々や貯蔵庫があってです、そうして牧場もあって港にはです。
船も沢山あります、漕ぐ船でマストもあります。そして村の中にはです。
角のない教授がお話した通りの兜にやはり質実剛健な感じの金属の鎧に丸い盾を持っていてです。両刃の剣に斧やハンマーを持っている人達がいます。
その人達を見てです、恵梨香は思わずこう言いました。
「この目でバイキングを見るなんて」
「これもオズの国ならではだね」
神宝も目を輝かせて言います。
「本当に」
「外の世界だと」
到底と言ったのはジョージでした。
「とてもね」
「本物のバイキングはいないから」
ナターシャはその現実をお話しました。
「海賊もオズの国にいる生きもの達も」
「だからね」
それでとです、最後にカルロスが言いました。
「今も会えて何よりだよ」
「そう思ってだよ」
それでとです、船長は五人にお話しました。
「君達をこの島に連れて来たけれどね」
「どうやら船長さんの予想通りになったわね」
ビリーナは船長の足元で言いました。
「そうなったわね」
「そうだね」
船長はビリーナのその言葉にも頷きました。
「よかったよ」
「ええ、ただね」
「ただ。何かな」
「美味しい匂いがしない?」
ビリーナはここでこんなことを言うのでした。
「何かを煮たり焼いたりする感じの」
「ああ、今からね」
ここで言ってきたのはエリックさんでした。
「お昼なんだ」
「そういえばそんな時間ね」
「だからね」
「今から作ってるのね」
「そうだよ」
「そういえば」
今度は恵梨香が言いました。
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