第五章
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「歌われない筈ないしな」
「そうだよな、問題だから歌われて」
「皆聴いて考えた」
「それはあるよな」
「本当にな」
二人でこのことについても話した、そしてだった。
私達はコーヒーショップを出て今度はパブに入ってバーボンを飲んだ、そうしてから店の前で別れてだった。
それぞれの家に帰った、そして私は自分の家に帰ったがドアを開けて部屋に入った瞬間に妻に言われた。
「今何時だと思ってるの」
「まだ七時だろ」
「もう七時よ」
「仕事終わって喫茶店行ってたんだよ」
「パブにもよね」
「金はそんなに使ってないさ」
妻にこのことも話した。
「だから安心してくれ」
「それが言い訳?」
「言い訳じゃなくて事実だよ」
こう妻に返した。
「これは」
「そう言うのね」
「ああ、じゃあ今からな」
「晩ご飯よ」
「今日のメニューはなんだよ」
相当酔っていても頭はしっかりしているし食欲もある、実はすきっ腹で飲んだのであまり量は多くなくてもかなり酔った。酒の回りが早かったので。
「それで」
「マッシュポテトとオニオンスープにね」
「ああ、それと何だ?」
「ポークソテーよ」
メインはこれだというのだ。
「デザートはアイスクリームがあるから」
「よし、じゃあ食うか」
「ただ、アイスは一個だけよ」
妻は私にこうも言ってきた。
「いいわね」
「食い過ぎると太るからか」
「そうよ、実際にあなた太って来たんじゃない?」
「大丈夫だろ」
この返事は適当なものだった。
「まだ」
「そうだといいけれどね」
「だから二個位な」
「一個よ、食べ過ぎたら駄目だから」
「全く、食えないよりましだけれどな」
「食べ過ぎても駄目でしょ」
「アフリカ系も最近太ってるのが多いしな」
ホリディの頃と違ってだ。
「食い過ぎも注意か」
「そういうことよ、じゃあね」
「ああ、節制してか」
「アイスは一個よ」
「やれやれだな、まあ飲んでるし仕方ないか」
「飲み過ぎも注意よ」
「わかってるさ」
実はここでもホリディを思い出した、けれどそれは言わないでだ。
私は家族と一緒に夕食を食べた、今のアメリカの平均的な食事と言っていいと思うそれは美味かった。それで後はシャワーを浴びて寝た。今のアメリカの生活の中で。それは悪いものではな決してなかった。ベッドの中で本当にホリディは今いたらどうなったかと思ったが酔いもあってすぐに寝て次の日は朝からまた仕事だった。
奇妙な果実 完
2019・10・22
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