第二章
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「歌は折り紙付きだからな」
「その歌でか」
「絶対に世に出ていたさ」
「それで有名になったか」
「ああ、ただ歌う曲はな」
それはというと。
「こうした世に訴える曲でもな」
「今じゃラップだな」
私は笑って話した。
「アフリカ系の訴える曲は」
「ダンスと一緒にな」
「あれもいいけれどな」
「ホリディに合うか」
「ピンとこないな」
私は思わず笑ってしまった、ホリディがラップとか確かにない。まだチャーリー=パーカーの方がありそうだ。ジャンルは違えど同じアフリカ系の同じ時代の歌手だからだ。
「どうも」
「そうだよな」
「ラップよりブルースかゴスペルか」
彼女の場合はだ。
「そっちか」
「そうした感じだな」
「そうだよな、ホリディは」
「考えてみると、しかしな」
友人はこうも言った。
「ホリディはソウルフード好きだったな」
「アフリカ系のな」
「今トップに立ってたら食ってたか」
歌手のそれにだ、ホリディの実力なら今もその座に立つことは間違いないというのだ。
「それはな」
「わからないか」
「ったくよ、世界から言われてるだよ」
友人はここでは口の左端を歪めて言った。
「俺達アメリカ人は太り過ぎだってな」
「俺達は違うけれどな」
私は友達に笑って返した。
「よく言われるな」
「ああ、デブばかりだってな」
「それはネットでもいつも言われるな」
「太る様なものばかり食ってるからだな」
これはもう自明の理だ、我が国の食事はそこに問題がある。
「ハンバーガーにアイスクリームにな」
「ピザにな」
「コーラだってガブ飲みだしな」
「それじゃあ太るな」
「最近色々な国がそうなってるけれどな」
何でもオーストラリアもブラジルもチャイナもメキシコもらしい、食いものがまずいというイギリスもそうなるのはちょっとわからないが。
「俺達はな」
「もうデブっていえばな」
「そんな国になったからな」
友達はコーヒーをまた一口飲んで話した。
「それでな」
「ホリディもか」
「写真見たら結構肉付きいいしな」
「じゃあソウルフードじゃなくてか」
「キャリーみたいにな」
白人だけれどこの歌手の名前が出た。
「なってたかもな」
「変わったな、キャリーも」
「二十年ちょっと前のキャリーのポスター覚えてるな」
「ああ、ぐっときたな」
虹色のビキニ姿のキャリーにはだ、私も若い時観てそうなった。
「俺は好みはチョコレートだけれどな」
「アフリカ系か」
「人種が違うって言えば差別になるか?」
アフリカ系が白人をどうか言ってもだ。
「けれど女の好みはな」
「アフリカ系か」
「あの肌の色と顔立ちがいいんだよ」
私にとってはだ。
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