第四章
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「楽しんできてね」
「それじゃあね」
「絶対にいい経験になるから」
母は娘を笑顔で送り出した、そしてその娘もだった。
はじめてのデートで緊張しきっていたが母に言われてかなりリラックス出来た、それで悠一との待合場所に行き。
彼を待とうと思ったが彼はもういた。見れば彼なりに背伸びしてその背伸び以上の服を着てお洒落をしていた。
その彼にだ、博美は挨拶の後で尋ねた。
「待った?」
「いや、全然」
悠一は笑って嘘を吐いた。
「今来たばかりだよ」
「そうなの」
「ああ、だからな」
実は二十分前に来ていたことを隠してだ、悠一は応えた。
「気にしないでな。それじゃあ」
「今からね」
「デートしようか」
「そうしましょう、じゃあ最初は」
「映画の上映まで時間があるから」
それでと言うのだった。
「ちょっと喫茶店でも行く?」
「そうする?」
「丁度近くにミスドーナツあるし」
全国規模で展開しているこの店がというのだ、悠一は事前にデートに行く街のことを調べていたのだ。
「そこに入って」
「ドーナツを食べながら」
「それで時間を潰して」
そしてというのだ。
「それからね」
「映画館ね」
「そこに行きましょう」
「それじゃあ」
二人で話してそうしてだった。
実際にまずはドーナツを食べた、二人共それぞれが好きなドーナツと紅茶を頼んで二人でこれから観る映画のことを話して時間を潰して。
上演時間に近付くと食べ終えて飲み終えてだった、映画館に向かった。そして映画が終わるとだった。
悠一は映画館から出る時に博美に話した。
「面白かったよな」
「そうね、テレビで観るのもいいけれど」
「映画の大画面で観ると迫力があって」
「内容もね」
肝心のそれもとだ、博美は話した。
「よかったわね」
「やっぱりあの作品はな」
「ああじゃないとね」
「よくないな」
「本当にね」
実際にというのだ。
「そしてああだったから」
「よかったな、観に来てよかったな」
「本当にね」
「それで」
悠一はさらに話した、今は彼が主導権を握っていた。
「今度はお昼食いに行こうか」
「何処に行くの?」
「いいスパゲティのお店があるんだよ」
この近くにというのだ、このことも事前に調べていて把握しているのだ。
「そこに行って」
「それでお昼ね」
「そうしないか?」
「私スパゲティ大好きなの」
これは事実だ、そして悠一も知っているて博美もそのことを把握しているがここはこのことについては言及しなかった。
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