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リトルデイト
第三章
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「デートでもよ、だからもう失敗してもね」
「それでもいい、なの」
「当然思いきり用意周到に準備して」
 そしてというのだ。
「自分でそのつもりで挑んでね」
「失敗してなの」
「それでこそいいのよ」
「成程ね」
「じゃあいいわね」
 母は娘にあらためて話した。
「ここはあんたが思う様に全力で準備して」
「お洒落も」
「メイクもメイン以外に行く場所も飲んだり食べたりするものもどうするか」
 そうしたこともというのだ。
「全部ね」
「勉強して準備して」
「そうして挑んで」
 そしてというのだ。
「失敗することもね」
「いいのね」
「それがいい経験になるから」
 だからだというのだ。
「どんといきなさい」
「何かアドバイスになってないけれど」
「だって答えがないからよ、ただね」
「ただ?」
「浮気は駄目よ、何処かのタレントさんみたいにね」
「よくそんなお話あるわね」
「それは後でとんでもないトラブルになるから」
 それに至るからだというのだ。
「いいわね」
「それは、ですね」
「そう、くれぐれもね」 
 浮気はというのだ。
「しないことよ」
「付き合うなら一人ですね」
「デートもね」
「そのことはね」 
 博美にしてもだった。
「当然って思うし」
「だったらよ」
「浮気はしないで」
「それで必死に勉強して考えて準備してよ」
「失敗を恐れずに」
「前に行きなさい、要するに攻めていけばいいのよ」
 こうも言う母だった。
「最初から守らずに」
「攻めるの」
「戦争じゃないから死んだり滅んだりしないから」
 それ故にというのだ。
「もうね」
「攻めていけばいいのね」
「そう、どんどんいきなさい」
 こう言ってだった、母は娘に今度は今観ている番組の話をした。それは普通のチャンネルのものよりもずっと面白かった。
 博美は準備を続けていった、そして。
 当日朝早く起きてシャワーを浴びメイクをして髪も整えてだった。
 新しい下着に服を着てだった、リボンも付けたが母はそのリボンを見て娘に言った。
「いいリボンね」
「ええ、これも買ったの」
 青いリボンに触れつつ母に答えた。
「可愛いと思ってね」
「似合ってるわよ」
 母は娘に笑って話した。
「いいもの買ったわね」
「そうでしょ、だったらね」
「このリボンを付けて」
「そしてね」
 そのうえでと言うのだった、博美も。
「デート行って来るわね」
「夜は遅くならないわね」 
 母は笑ってこうも言った。
「晩ご飯用意しておくわね」
「いや、遅くなるでしょ」
 デートについて勉強した知識からだ、博美は母に言った。
「やっぱり」
「そうはならないのよ」
「そうなの?」
「はじめてのデートはね」
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