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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・前半-未来会議編-
第十二章 抗いの行く先《2》
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は迷惑だと思うか!」
 飛豊の問いに、皆は顔を左右に振る。
「咲先生が弱いと思うか!」
 自分達の生徒は、顔を横に振り否定する。
「咲先生を尊敬してるか!」
「「当然!!」」
「日来は沈まない、何故なら日が来訪する場所なのだから」
 声が響く。強く、高く、大きく。
 飛豊の言葉で二つに別れた列は一つとなって、前へと進む。
 水を跳ね、濡れた地面を踏んだ。
 それは一歩、二歩と早くなり二人の教師を抜いた。
 二人の教師は、背後を行く者達に体を向け言葉でその背を押す。
「行ってきなよ、結果がどうなれもう引き返せないのなら」
「幣君をお願いしますよ!」
「「了解!!」」
 群れは校門を抜き、大道の左へと消える。
 それを後方で見守る二人は、黙ってそれを見続けていた。
 一向に止まない雨は弱まったり強くなったりと、雨風をまとって降り続いた。
 少しの沈黙が過ぎ、榊が口を開いた。
「彼が来たときから全てが始まったのかな」
「幣君のことですか?」
「そうそう、小等部のときは物静かな子だったのに随分と変わったからね。色々なもの背負ってるからかな、まあそれが彼の強さなんだろうけどさ」
「何をしようとしてるのでしょうか」
「告白の続きか、その他だね。だけど今回の件で社交院は嫌でも覇王会との話し合いが必要になる」
「監視されているのですからね、自分達は大人の態度を取ったと言えるようにしなければ後々面倒ですから」
「それが狙いだったら怖いね、彼ならやりかねないけど」
 二人はのんびりと歩き始めた。
 方向は職員室。
 雨から逃げるように、その場から離れた。
「どう抗うか、何を伝えるかが重要だよ……」
「何か言いました?」
「ん? 心配だなあ、てね」
「榊さんが心配だなんてちょっと以外です……クシャン」
「雨に濡れたから体が冷えたんだね、着替え持ってる?」
「はい、職員室の個人ロッカーに」
「早く行こうか、教員の俺達は争い事に手出し出来ないからね。ココアでも入れよっか?」
「お願いします」
 手で体を擦り、震えている咲を一歩後ろから榊が歩く。
 自分達は何も出来ないからこそ、見守り影から支える。
 そうすることで今、長の元へ向かう者達は後ろを向かずに前だけを見て走り続けることが出来る。
 雨の中、二人はただ歩き続けた。



 曇りの空の下、西二番貿易区域は騒がしくなっていた。
 監視中だった艦の小型艦二艦、中型艦一艦が空を支配しその下は黄森の隊員が一人の者に向かい長銃を構えていた。
 長銃を向けられている者は、右腕がなく雨に濡れていた。
 髪は濡れて潰れており、服は水を吸っている。
 停泊場に一人で立ち、その周りを隊員が囲む。
 彼の直線上には青の、辰ノ大花の戦闘艦が見える。
 
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