怪盗乱麻、リゾートへ発つ
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ので、周りからはわたし含め呆れた態度を取られることが多い。
丁寧に話している分には、仕事のできる大人の女性って感じなんだけど、本人曰くただ仕事をこなすだけの関係なんてつまらないじゃないですか。とのことだ。
「で!何の用? 昨日は忙しかったし休みたいんだけど」
つまらない用事だったら怒るよ──そんな意思を籠めてスズに言う。
スズもそれは察してか、コホン、と咳払いをして答えた。
【ではそろそろ真面目に。あなた宛てに手紙が届きました】
「この家のポストじゃなくて、スズのところに?」
わたしはアーカラ島のコニコシティに住んでいて、スズはウラウラのラナキラマウンテンにいる。間違えて届くことはあり得ない。
【ええ、宛名も『怪盗乱麻』様へとありました】
「……誰から?」
わたしが怪盗をしていることはアローラの人たちには秘密だ。スズ以外にそれを知っているのは島キャプテンに島キング、それともう一人の怪盗だけ。
【それがですね……なんとはるばるホウエンの方からなんですよ」
ホウエン地方。日差しの厳しいアローラとは違った意味で温かい気候で知られる大陸、ということくらいしかアローラから出たことのない私は知らない。怪盗としての行動も、ほかの地方の人はあまり知らないはずだ。
【内容は簡単です。今度ホウエンが誇るポケモンバトルの聖地、バトルリゾートに来ていただけませんか?とのお誘いですね。アローラで華々しく活躍する貴女へ、ぜひこちらのリゾートを楽しんでほしいとのことです。招待券も添付されていますね】
「バトルリゾート……!」
でも、バトルリゾートについては聞いたことがある。ホウエンから離れた孤島にある、さまざまなポケモンバトルが楽しめるバトルシャトーをはじめ、スパやレストラン、専用コテージなどの娯楽施設がたくさんある場所だ。
すごいのは、島全体に人を守るためのセーフティ機能が張り巡らされていること。ポケモンバトルをする人が集まる以上、ポケモンの技で人が傷つく可能性はあるものだけど……あの島では人に害をなすポケモンの力が働くと、自動的に念力のような力で守ってくれるそうだ。守り神、と呼ばれるポケモンのおかげらしい。
極めて安全な、ポケモンバトル集合施設にして楽園……ということ。
【ラディも一年間よく頑張ってくれましたし、もうすぐ十四歳の誕生日でしたからね。プレゼントも兼ねてちょうどいいかとスズも思いまして……あなたの意見を聞こうと思ったんですよ】
「行きたい!」
即答する。ポケモンたちも退屈しないリゾート地に向こうから招待してくれる。願ってもない話だ。
【では、快諾の返事をしておきますね。ラディが素直で嬉しいです】
「……でも、わたしだけ?『模犯怪盗』には来てないの?」
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