第7章:神界大戦
閑話18「いざ、倒れ逝くその時まで」
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それでも、決して勝てない事が。
「(極致に至ってなお、足りないか)」
「ッ―――!?」
そう思考しながらも、ごく自然と“天使”の一人の後ろを取る。
“天使”が気づいて振り返った時にはもう遅く、回し蹴りで吹き飛ばされていた。
「(……いや、分かっていた事だ。なら、力の限り足掻くのみ)」
優輝の思考はクリアになっていた。
どこまでも研ぎ澄まされ、自身を俯瞰するような感覚だった。
「……導王流奥義之極“極導神域”」
それはかつて大門の守護者に対して発動した導王流の最終奥義。
あらゆる攻撃を“導き”、勝利を掴み取る一種の“武術の極み”。
自然体のように脱力し、理力によって構成された右手を前に出し、構える。
そして、一拍おいて優輝は言い放つ。
「―――破れるものなら、破ってみろ」
「是非に!是非ともやってあげますよ!!」
ここでイリスが能動的に動いた。
今まで動きを妨害するように放っていた“闇”とは違う。
物理的威力も伴った攻撃的な“闇”だ。
「(今まで手札をほとんど見せていなかったのは、初見にするためか)」
雨霰のように“闇”が降り注ぐ。
一発一発が速く、鋭い。
まともに食らえば優輝はたちまちハチの巣どころか粉々になるだろう。
それを、優輝は隙間を縫うように動き、一発も当たらずに受け流す。
「ッ!」
同時に優輝を中心に半径100m程の地面から“闇”が吹きあがる。
刹那の間に跳躍し、それを避けるが今度は頭上から“闇”が迫った。
だが、それすら分かっていたかのように瞬間移動で範囲外に避ける。
「はぁっ!」
「……ふっ!」
“天使”と神が今までと同じように仕掛ける。
直接戦闘に長けたその攻撃は、今までならダメージ覚悟じゃないと対処できない。
だが、今度は違う。まるでふわふわと飛ぶ羽毛が掴めないかのように、決して拳や蹴りが優輝を捉える事はなかった。
それどころか、一瞬の隙に放たれた拳が神の胸を打ち、瞬時に吹き飛ばした。
「止められ、ない……!?」
「神界でなければ、こうはいかなかっただろうな」
重圧や、概念的拘束で一部の神が動きを止めようとする。
しかし、優輝はそれでも止まらない。
まるで気にしていないとばかりに、優輝は拘束の下手人に蹴りを放つ。
「(無意識下の行動を伴えば、“性質”すらすり抜ける……か。神界だからこそ出来る事だが、相性がいい)」
最終奥義なだけあり、完全な劣勢だったのが僅かに覆る。
「(尤も)」
「ォオッ!」
「はぁぁあっ!!」
攻撃が受け
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