第百二十五話 姫路入りその四
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「周防と長門をだ」
「その二国をですか」
「先に抑えてだ」
そうしてというのだ。
「連中の行き先を抑えるか」
「そうしますか」
「九州から来るならな」
「その二国ですね」
「他はない、ならな」
「こちらが先にですか」
「相手の行き先を抑えてだ」
そうしてというのだ。
「先に防ぐ」
「それがいいな」
幸正は英雄のその考えを聞いて述べた。
「幸い我々には強力な水軍とだ」
「多くの兵がいる」
「ならだ」
「先に九州の介入を防ぐな」
「あの二国を手に入れて」
「そうする、そして主力はな」
英雄は幸正にも話した。
「姫路城を拠点としてな」
「西に進んでいくな」
「そうしていく」
こう幸正に話した。
「そして山陰もだ」
「こちらもだな」
「そうだ」
そこもというのだ。
「兵を進めてな」
「手に入れていくな」
「そうするがこちらは次だ」
「山陽のだな」
「そうしたい、ではな」
「これからだな」
「出陣だ」
山陽に向けてとだ、こう話してだった。
英雄はまずは伊代から幸正と智に二万の軍勢を渡して軍勢を出させてそのうえで周防と長門に進出した、そうさせると共に自身もだった。
主力を率いて大坂を出陣した、その数は十二万であり留守は紅葉に任せて他の仲間を率いて姫路に向かった。
大坂からすぐに播磨に入った、彼はここで共にいる耕平に問うた。
「備前等はどうなっている」
「これから攻める国々やな」
「そうだ、どういった状況だ」
「山陽全体の話をするで」
備前等だけでなくとだ、耕平は英雄に前置きして話した。
「どの国も国人が乱立していてな」
「一つになっていないか」
「幸正達が行った周防と長門もな」
この二国もというのだ。
「やっぱりな」
「国人達に分かれていてか」
「一つになってへん」
「どの国も同じか」
「というか西国は九州とか土佐以外はな」
どうなっているかとだ、耕平は英雄に話した。
「ほんまにや」
「国人ごとに分かれているか」
「関西は寺社もあったけどな」
それだけでなく、というのだ。
「この浮島の西国はな」
「九州や土佐以外はか」
「一つになってへん」
「国人単位か」
「それでや」
そうした状況だからだというのだ。
「わい等十二万に兵力で対抗出来る勢力はない」
「そう考えると楽だが」
「それでもや、数が多い」
「勢力のそれがな」
「これまで通りやっていくにしても」
「それぞれに使者を送り」
「そうしてとなっていくからな」
耕平は英雄にこれまでの自分達の勢力拡大の道のりを思い出しつつ話した。
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