第三章
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とにかく安奈は肉のことを言って肉を食べないと、と言っていた。とはいっても菜食主義は否定しなかったのでそこで批判は受けなかった。
周五郎はその安奈とクラスメイトでよく会話してアルバイト先の回転寿司、八条寿司のチェーン店で働いている時も先輩に彼女のことを話した。
「もうとにかくですよ」
「肉の話ばかりか」
「するんですよ」
こう話すのだった。
「これが」
「変わった娘だな」
「もうそれこそです」
「肉のサラブレッドか」
「ご両親がそっち関係で働いていて」
そしてというのだ。
「父方の実家が大手の精肉業者で」
「代々か」
「母方も養豚やってるとか」
「それは本物か」
「叔父さんは約肉屋とかも言っててお兄さんは牧場で働いてるとか」
「本当に肉ばかりだな」
「それで自分もハンバーガーショップで働いていて」
そこでアルバイトをしていてというのだ。
「もう肉尽くしで」
「肉のサラブレッドって言っててか」
「口癖はお肉を食べないと」
「駄目だってか」
「そう言ってるんですよ」
「癖の強い娘だな」
「悪人じゃないですけれどね」
だからよく話しているのだ。
「まあとにかく肉で」
「癖は強いんだな」
「はい、お店の宣伝してますし」
「新商品とかのか」
「そうなんですよ、まあお魚はですね」
周五郎は今度は自分が今働いている店の話をした、回転寿司の店の。
「食いそうにないですね」
「お魚は身体にいいけれどな」
先輩もそのことはと答えた。
「食ったら頭がよくなる」
「身体にもいいですしね」
「そうですよね」
「けれどそうした娘はな」
「お魚食いそうにないですね」
「肉ばっかりだろ、肉も美味いけれどな」
それでもというのだ。
「お魚食って悪いことはないだろ」
「そうですよね」
「お寿司だってな」
「まああいつはこうしたお店には来ないですね」
「外食だと焼き肉屋さんか?」
先輩も周五郎の話を聞いて笑って言った。
「牛丼屋さんとか」
「奮発してステーキハウスとか」
「ステーキと焼き肉は変わらないだろ」
「安いお店だとそうですよね」
「八条グループの値段は良心的だしな」
かつホワイトな経営と被雇用者への待遇で知られている。
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