プロローグ3
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突然、ゴーン、ゴーンと鐘の音が鳴った。
「ッ!」
するとオレ、キリト、クラインの体が鮮やかなブルーの光に包まれた。
そして次の瞬間、オレ達は夕暮れの草原ではなく、《はじまりの街》の中央広場にいた。
思わず顔を見合わすオレ達。そして同時に周囲にひしめく人の山が視界に入る。
「強制テレポート・・・・」
キリトの口から洩れた声にオレはますます混乱した。
ゲーム歴数ヶ月でしかないオレでも、何のアナウンスも無しに強制的に移動するなどあり得ないという事は分かる。
おそらく、この広場の大きさから考えてログイン中の人間は全てここにいるのだろう。
「一体何なんだよ・・・・?」
オレの言葉が引き金になった訳ではないだろうが、周囲のざわめきがやがて怒声に変わっていく。
と、不意に。
「あ・・・・何だあれ!」
反射的に見上げれば、上空は赤いフォントで埋め尽くされ、よく見れば【Warning】、【System Announcement】という二つの英文があった。
続いて中央部分がまるで血の雫のようにどろりと垂れ下がり、やがて何かの形を成していく。
「・・・・人?」
出現したのは二十m程の赤いローブの巨人。
GM―――――ゲームマスターが使用するアバターだ。
だがおかしい。何故か中身が無い。
顔も、ローブの裾から手袋の間にあるはずの腕も存在しないのだ。
空っぽの巨人はゆったりとした動きで両手を掲げ―――――。
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』
この浮遊城にいる全ての人間を幽閉する始まりの言葉を告げた。
―――●●●―――
赤い巨人――――このゲームの創造主、茅場晶彦を名乗る存在が言ったのは要約すればこうだ。
・このゲームはログアウト不可能。現実に戻るにはこの浮遊城アインクラッド百層まで突破しラスボスを倒してゲームをクリアするしかない。
・外部からの救出は不可能。無理に外そうとすればナーブギアの発するマイクロウェーブによって脳を焼き切られ死ぬ。
・このゲームで一度でもHPがゼロになった者は死ぬ。
ふざけてる。それが最初に思った事だった。
ベータテストですら二か月で十層までしか上がれなかったのだ。
一度も死なずにクリア百層?
不可能とは言わないが、ムリゲーに限りなく近い。
『それでは最後に、諸君に私からのプレゼントがある。アイテムストレージを確認してくれたまえ』
無意識にオレの右手が動きアイテムストレージから一つのアイテムを取り出した。
「・・・・鏡」
《手鏡》、とそのまんまの名前のアイテムに映っているのは、オレがデフォルトの状態から少しだけカスタマイズしただけのアバターのみ。
キリトとクラインに目を
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