第五章
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ここでだ、廃寺の門の上からだった。
人の半分の大きさ位の長いざんばら髪のとんでもなく怖い顔が落ちてきた、顔はドキュン達の前にどすんと落ちて怒ってきた。
「こら!」
「うわっ、化けもの!」
「出た!」
ドキュン達は顔を見て即座に何処かに逃げだした、顔は彼等が逃げたのを見てやれやれと言いつつ廃寺の中へとずるずると戻っていった。
その一部始終を二人で見てだった、愛梨は言った。
「見たわね」
「はい、見ました」
晋太郎ははっきりと答えた。
「今はっきりと」
「私達滅茶苦茶酔ってるけれどね」
「それでもですよね」
「意識あるわよね」
「酔っていても」
「そうよね、それじゃあ」
「はい、今見たのは現実です」
晋太郎は言い切った。
「本当に」
「妖怪ね」
「間違いないですね」
「ええ、けれど駅に兄さんが待ってるから」
「だからですね」
「行きましょう、ドキュン共も行ったし」
「何とか」
二人で話してだった、駅まで行くと愛梨の兄が車で待っていてそれに乗って愛梨の家に行ってだった。
後は休んだ、ただ二人共翌朝二日酔いで大変だった。
一週間後愛梨は大学で晋太郎に話した。
「廃寺のあれだけれど」
「あの妖怪ですね」
「あれおとろしっていうらしいわ」
「おとろし?怖いってことですか」
「ああしたお寺や神社にいてね」
「悪さした奴をですか」
「驚かせて懲らしめる」
愛梨は晋太郎にサークルの部室で話した、周りは適度に散らかっている。
「そうした妖怪らしいのよ」
「そうだったんですね」
「ええ、罰当たりなことはするな」
「そういうことですね」
「そうよ、それでね」
愛梨はさらに話した。
「あのドキュン共のことは動画で晒してね」
「警察に通報したら」
「炎上して」
そしてというのだ。
「警察も動いてくれたから」
「後は逮捕ですね」
「もう特定班も動いて」
「身元もばれましたか」
「住所も実名もね」
そうした個人情報もというのだ。
「後はもうね」
「人生終了ですね」
「馬鹿なことはするなってことですね」
「妖怪に懲らしめられるし」
「それで人生も終了するし」
「そういうことですね」
「そうね、じゃあまたあのお店に行って」
愛梨は今度はこうした話をした。
「それでね」
「またですね」
「飲んで食べましょう」
「わかりました」
二人で話してだ、そのうえでだった。
後はその串カツ屋の話をした、それは過去を思い出し未来を考える楽しいものであった。
おとろし 完
2019・10・19
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