狡猾な罠
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<ピラミッド>
「な、なぁ…やっぱりリュカさんが居ないと…不安だよなぁ…」
ウルフが必要以上に警戒しながらピラミッド内を歩いている。
彼だけではない、アルルもハツキもエコナですら、緊張した面持ちでダンジョン内を進んで行く。
前回来た時にトラップは無い事を確認した場所ですら、慎重に慎重を重ねて警戒をしている。
アルルは思う。
《何でリュカさんは何時も平然として居られたの?1度来た事がある所なのに、凄く怖い!どうしてリュカさんは初めて訪れる場所でも、平気なの?》
思いの外、リュカへの依存心が大きかった事に、後悔をしているアルル達…
たいして戦闘は行わなかったけど恐怖と後悔の中、どうにか魔法の鍵が安置されてるであろう石戸の前まで、再び訪れたアルル達。
〈♪まん丸ボタンは不思議なボタン。まん丸ボタンで扉が開く。東の西から西の東へ。西の西から東の東。♪〉
イシス城の子供達が歌っていた童歌を思い出し、ボタンの前へと移動する…
<イシス>
一方そのころイシスに残ったリュカは…
無理矢理レイチェルに呼び出され、女王の自室で甘美で大人な一時をおくっていた。
「ねぇ、リュカ…私と結婚できなくても、愛人になれなくても、イシスに居る間は、私の恋人でいてくれるでしょ!?」
「それは構わないけどさぁ…僕は城に居たくないよ!さっきの見たでしょ…大臣さん達、一斉に僕の事を睨むんだよ!視線で人を殺せるのなら、僕は惨殺されてたよ」
大臣達だけではない…下級兵士もリュカの姿を見るなり、武器を構えて睨み続ける有様だった。
アイドル的な女王を寝取った恨みは計り知れない。
「あはははは。私が自由に逢いに行ければ良いんだけど…仕事が忙しくってね!」
「じゃ、忙しい女王様のお邪魔をしちゃ悪いから、僕はこの辺で帰るとするよ」
リュカはベットから起きあがり、自分の服に手をかけると、
「あぁん!そんな事言わずに、もう一回だけシよ?ねぇ〜、もう一回だけ…ね!?」
と抱き付かれ、そのまま大人な世界へと旅だって行く…
男ってヤツは…
<ピラミッド>
(ゴゴゴゴゴゴ………)
重厚な石戸が開き、アルル達は奥に奉られてある魔法の鍵が眼前にある。
「やった!やっぱりあの童歌は、ボタンを押す順番を歌ってたんだ!」
「リュカはんが居なくても、何とかなるもんやな!」
「エコナさん!油断は禁物ですよ!」
「そうね…魔法の鍵を手にした途端、トラップが発動するかもしれないしね!用心しましょ!」
アルル達は四方を警戒しながら、魔法の鍵の元まで慎重に進んで行く。
そして魔法の鍵を持ち上げた途端、先程苦労して開けた石戸が突然閉じてしまった!
「あ!?」
「な、何や!?閉じこめられてもうたのか?」
皆、慌てて石戸へと駆け寄る。
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