第七十五話 袁紹、軍を挙げるのことその十
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「特に美羽様は中身が個性的ですから」
「七乃が言えるのか?」
「私がですか」
「うむ、御主はそもそも中身の名前は幾つあるのじゃ?」
「美羽様より多いでしょうか」
「絶対多いと思うぞ」
袁術は張勲に顔を向けて述べた。眉を少し顰めさせてだ。
「あと孫策のところにおる呂蒙もじゃな」
「あの娘も結構ですよね」
「凛も結構多いがのう」
「そうですよね。まあそのお話をすると」
どうかとだ。張勲は笑いながらこのことについても話す。
「結構困ったことになる人もいますけれど」
「孫尚香も甘寧も洒落にならんまで色々出ておるからのう」
「あの人達の中身の名前は少ないですけれどね」
「わらわや七乃や凛よりはのう」
「多い人は本当に多いですから」
「全くじゃ」
そんな話をしながらだった。袁術達も合流場所に向かうのだった。
劉備達もだった。彼女は白馬に乗り軍の先頭にいた。その中でだ。
隣にいる関羽にだ。こう尋ねるのだった。
「あの、合流する場所は」
「まだ先です」
こう答える関羽だった。当然彼女も馬に乗っている。
「まだ予州にも入っていません」
「そうなのね」
「はい。ただ」
「ただ?」
「馬ですからそれ程時間はかかりません」
それは大丈夫だというのである。
「焦る必要もありません」
「それならいいけれど」
「むしろです」
ここで孔明が劉備に話す。彼女は劉備の後ろで椅子の車に乗っている。ただしだ。その車はタムタムに持たれてしまっている。
そうして吊り下げられながらだ。主に話すのである。
「焦って先に進む方がよくありません」
「そうなのね」
「袁紹さんが真っ先に来られますし」
その彼女が問題だというのだ。
「下手に先に行けば無用な騒ぎを引き起こしてしまいます」
「何でそれで騒ぎになるのだ?」
張飛がその孔明に尋ねる。彼女は劉備の横で豚に乗っている。ここでも豚である。
「袁紹より先に着たら問題なのだ」
「各州の牧の人達が集まりますけれど」
その中でだ。やはり問題になるのはだった。
「袁紹さんが最も勢力が大きいですね」
「無闇と大きいのだ」
「五州を治めておられるその権勢は第一です」
孔明はそのことを話す。五つの州を治めている袁紹のその力は侮れなかった。
「ですから。盟主となられるのは」
「あいつなのだ」
「はい、それはもう今の時点でほぼ決まっています」
流石に五州の牧であることは大きかった。それもかなりだ。
「あの方しかいません」
「そのあいつより先に来ればやばいのだ?」
「盟主である袁紹さんが真っ先に来ないと気が済まないと思います」
孔明は袁紹のそうした性格を完璧に読んでいた。まさにその通りだった。
「ですから。下手に急いで袁紹さんと先に行くとで
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ