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夢幻水滸伝
第百九話 鱈と共にその八

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「最悪の力になって」
「恐ろしい災厄になるな」
「何よりも」
「自分も同じ考えや」
 今度言ったのはホンワナだった。
「この力をアホなことに使ったら」
「それこそな」
「今言われてる通り最悪の事態になる」
「そうやね」
「そう思ったら」
 ホンワナは読みつつ話した。
「自分等もな」
「真面目な心でいて」
「しっかりせんとあかんな」
「悪くならん様に」
「そこはな」
 二人でこう話した、その二人にジマールが言った。
「人は善人が悪人にもなれば悪人が善人にもなる」
「そこは変わる」
「そういうことやね」
「そうです」
 関西弁のアクセントでだ、ジマールは二人に答えた。
「ですから私達にしましても」
「悪人になったらあかん」
「そういうことやね」
「そうです、心を確かに持って」
「ここも色々な人がおるけど」
 ウスマンもかなり飲んでいる、そうして顔を真っ赤にさせてそのうえでジマールに対して考える顔で話した。
「それでも悪人はおらんな」
「善人と言える人ばかりですね」
「星のモンはな」
「そうです、ですが現時点でのお話で」
「人の心は変わるから」
「私達も気をつけていかねばならないです」
「そやな、ひょっとして」
 ここでこうも言ったウスマンだった。
「この世界の危機は僕等自身かも知れんしな」
「そのことも考えられますか」
「そう思ったけどどやろな」
 言いつつ飲む、飲みっぷりはかなりいい。
「一体」
「さて、ですが一つ言えることは」
「何や」
「私達の力はあくまで世界を救う力でして」
 ジマールはとにかくこのことから話した。
「悪用してはなりません」
「このことは絶対やな」
「そうです、何があろうとも」
「ほんまに世界を救う力は世界を滅ぼす力にもなる」
 考える顔でだ、クルマも言ってきた。
「そこはいつも心に入れておかんとな」
「その通りね」
 アレンカールはアフリカの地の星の者達の話を聞いて述べた。
「あたい達はそこはしっかりしないと」
「あかんですね」
「ええ、本当にね」
 まさにとだ、アレンカールはクルマに答えた。
「そう思うわ、強くね」
「そうですね」
「ええ、ただね」
「ただとは」
「考えてみれば女帝さんや雷帝さんも悪人ではないのよね」
 ここ彼等のことも思うのだった。
「あれで」
「苛烈ですが善政を敷いてますし」
 クルマもアレンカールに言われて述べた。
「敵には容赦せんんですけど」
「悪事はね」
「しませんね」
「そうでしょ、だからね」
「善人ではありますね」
「悪人に微塵も容赦しないにしても」
 それでもというのだ。
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