第七十五話 袁紹、軍を挙げるのことその三
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「董卓殿の」
「動けばやがて攻められ動かなければ処刑」
袁紹は難しい顔で述べた。
「都に召還されればそうなりますわね」
「はい、間違いなく」
そのことも言う陳琳だった。
「そうされます」
「ではわたくし達は打つ手がありませんわね」
袁紹は自分だけではないと言った。
「華琳にしても孫策にしても」
「美羽様にしても」
「そうですわ。このままでは全員同じですわ」
そうだというのである。
「動いても動かなくても」
「じゃあ今はどうすれば」
「どうします?本当に」
武の二人は深刻な顔をして主に問うた。
「待っていても仕方ないですし」
「それならいっそのこと」
「いえ、今は待つべきよ」
しかしだった。ここでだ。
陳琳はその二人に対してだ。こんなことを言ったのである。
「ここはね」
「解任されるのに?」
「それでも?」
「近いうちにその話が来るわ」
陳琳はいぶかしむ二人に冷静に話す。
「麗羽様の牧解任と都への召還の話がね」
「だから。それが来たらよ」
「まずいじゃないか」
二人はいぶかしむ顔で陳琳に言い返す。
「麗羽様が処刑されちゃうわよ」
「そうなってもいいのかよ」
「だから。その話が来たらよ」
その時にこそだというのである。
「動けばいいのよ」
「動く?」
「この場合どう動くんだよ」
「兵を挙げるのよ」
そうすればいいとだ。二人に話す陳琳だった。
「挙兵よ、挙兵」
「ちょっと待ってよ、そんなことしたら」
「それこそ最悪なことになるぜ」
顔良と文醜は驚いた顔になってまた言い返した。
「私達謀反人になるじゃない」
「そうなってもいいのかよ」
「そうね。けれど相手はどうかしら」
自信のある笑みでだ。陳琳は話した。
「都の話は聞いてるわよね」
「董卓殿の暴虐のこと?」
「それかよ」
「そう、それよ」
まさにだ。それだというのだ。
「都で悪逆非道の限りを尽くしている董卓征伐を」
「つまりその董卓さんを征伐する為になの」
「挙兵するっていうんだな」
「そうよ。袁紹様はその董卓の理不尽な命に従わなかった」
「けれど董卓さんに解任され都で処刑されるから」
「それに対して兵を挙げる」
「そうなるのよ」
こうだ。陳琳はその場合の大義名分を話すのだった。
「どう?これで」
「いい感じね」
「そうだよな」
顔良と文醜は陳琳のその言葉に頷いた。そうしてだった。
陳琳は次にだ。袁紹に向き直ってだ。あらためて彼女に問うた。
「これで如何でしょうか」
「そうですわね。それがいいですわね」
袁紹もだ。陳琳のその言葉に頷くのだった。
そのうえでだ。彼女はこうも話した。
「それでは。今は待ちますわ」
「はい、それにです」
「ま
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