第九幕その一
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第九幕 大海獣
一行は船での旅を続けます、その中で。
ふとです、ビリーナが官辺の手すりの上に立って海と空の景色を眺めながら船長にこんなことを言ってきました。
「ねえ、一ついいかしら」
「どうしたんだい?」
「オズの国には色々な生きものがいてね」
「この海にもね」
「それで私達も今観ているけれど」
その生きもの達がというのです。
「リバイアサンとかヨルムンガルドとか」
「ああ、彼等のことだね」
「そう、出て来るのかしら」
リバイアサンやヨルムンガルド達はというのです。
「この海で」
「うん、まずヨルムンガルドはね」
その彼等のことを話すのでした。
「オズの国と外の世界の境にいるから」
「そこまで船を進めればなのね」
「会えるよ」
「オズの国の境ね」
「オズの国から出ようとしたら」
その時はというのです。
「出るのかどうかを聞いてくるよ」
「そうなのね」
「それでわし等みたいにね」
船長は自分達のこともお話します。
「遭難とかでオズの国に来る人をね」
「私もそうだったわね」
ビリーナは自分のこともお話しました。
「ドロシーと一緒にだったわね」
「この世界に来たね」
「そうだったわ」
実際にとです、ビリーナは船長に答えました。
「そして今もいるわ」
「そうした人達を見守って危なかったら」
「助けることもなのね」
「ヨルムンガルドがすることなんだ」
「そうなのね」
「そしてリバイアサンもね」
この獣もというのです。
「その巨大な身体でいつも海を泳いでいて」
「そうしてなの」
「困っている人がいるかどうか探しているんだ」
「そうして困っている人がいたら」
「助けるんだよ」
「それはオズの国ならではだね」
教授は甲板の上に出した安楽椅子の上でくつろぎつつ本を読みながらそのうえでビリーナにお話しました。
「リバイアサンはキリスト教では悪魔とされることもあるけれど」
「あら、そうなの」
「神か創られた獣とされながらもね」
「悪魔にもされるの」
「そうした立場だけれど」
「それでもなのね」
「オズの国のリバイアサンはね」
こちらはどうかといいますと。
「凄く親切で心優しい獣だよ」
「そうなのね」
「それはヨルムンガルドもだね」
教授の隣の安楽椅子に座っているモジャボロが言ってきました、見ればアップルパイとアップルティーを楽しんでいます。
「元々はね」
「そう、北欧神話ではね」
「そちらではだね」
「世界を滅ぼすとか言われていてね」
「悪い存在とだね」
「思われているけれど」
それでもというのです。
「オズの国ではね」
「違うね」
「そう、とてもいい蛇だよ」
「それは何よりだね」
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