第七十五話 袁紹、軍を挙げるのことその二
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「私のことを知っているのか」
「おおよそね」
「知らない訳じゃないわ」
二人はこう彼に返したのだった。
「貴方達の世界もね」
「行く来できるから」
「そうなのか。ではこの世界についても」
「勿論知ってるわよ」
「だから来たのよ」
平然と答える。まさに何でもないといったようにだ。
「あたし達あらゆる世界を行き来できるからね」
「全然平気なのよ」
「一体どういった人間だ」
それを聞いただ。幻十郎が言う。
「前から奇怪に思ってたが」
「奇怪なんて失礼ね」
「こんな美しい乙女達を捕まえて」
「俺は男でも構わないが」
幻十郎は女だけでなく男もいけるのだ。その特技は千人斬りである。しかしだ。二人については妖怪変化を見る目で言うのであった。
「しかしだ」
「しかし?」
「しかしっていったら?」
「貴様等は止めておこう」
「美しさは罪ね」
「微笑みさえ罪ね」
相変わらずだ。勝手な、自分達にとってみれば当然の解釈をする彼等だった。そのうえでだ。彼等はまたしても言うのであった。
「誰にも手出しをさせないまでの」
「そこまでの美なのね」
「そう思うのなら思うといい」
幻十郎でさえもだ。こう言うのだった。
そうしてだ。そんな話をしてだった。
彼等は道を進んでいくのであった。彼等の道をだ。
袁紹のところにだ。彼女にとって不快な文が来ていた。それを読みだ。
彼女は己の机に座りながらだ。怒り狂った言葉を出していた。
「何ですって!?まだ言いますの!」
「あの、董卓さんからですよね」
「ひょっとしてですか?」
「そうですわ。高句麗を攻めよと」
こうだ。命令が着ていると顔良と文醜に話すのだ。
「また来ていますわよ:
「あの、高句麗を攻めても」
「何の利益もないですよ」
それは二人も言うことだった。
「我が漢王朝に従順ですし」
「あんな寒くて土地が痩せてて」
「しかも鉄も銅も塩もありませんわ」
袁紹も言う。
「そんな何もない国、攻める必要一切ありませんわ!」
「そういえば孫策さんも南越征伐を命じられていて」
「袁術様もあれですよね。南蛮を」
「おまけに華琳はわたくしと共に高句麗ですわ」
要するに牧達の殆んど全員に命じているのだ。
「これだけの兵を起こすとなると」
「あの、おかしいのでは?」
二人と共にいた陳琳が言ってきた。
「国力を無駄に使ってしまいます」
「まずはわたくし達ですわね」
「はい、これは」
どうかとだ。陳琳はさらに話した。
「まずは我々の国力を消耗させ」
「そのうえで、ですわね」
「はい、我々を取り潰しにかかるかと」
陳琳はここではだ。軍師として話していた。彼女は軍師としても動くことができるのだ。
「そうしてきます」
「
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