第七十五話 袁紹、軍を挙げるのことその一
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第七十五話 袁紹、軍を挙げるのこと
華陀達は山を出た。当然張魯との話の後でだ。
その彼にだ。怪物達が尋ねるのだった。
「ねえダーリン、それでね」
「あたし達のこれからはどうなるの?」
「ああ、まずはだ」
華陀は自分の左右にいるその彼等に答えて話をはじめた。
「洛陽に向かってくれとのことだ」
「都になの」
「そこになの」
「ああ、そうだ」
こう二人に話すのだった。
「ただし。すぐには入らないでくれと仰っていた」
「都に?」
「すぐにはなの」
「時が来るのを待てとのことだ」
そうしろとだ。張魯は華陀に言ったというのだ。
「そうしてくれとな」
「そうなの。じゃあ洛陽もなのね」
「入らないのね」
「それは特に止めてくれとのことだ」
都に入るのはだ。絶対に駄目だと言われたというのである。
「郊外で潜伏してくれとのことだ」
「都でダーリンとデートしたかったのに」
「それができないなんて」
二人はそのことに身をよじって悲しみを見せた。
「残念なんてものじゃないわ」
「あたし悲しくて涙が出るわ」
「何でも俺達は目立ち過ぎるかららしい」
張魯もだ。わかっていることだった。
「それで駄目らしい」
「そうね、あたし達の美じゃね」
「嫌が応でも目立つわ」
「だからだ。何処かの廃屋にでも入って潜伏してくれとのことだ」
「わかったわ。それじゃあね」
「そうさせてもらうわ」
二人は華陀のその言葉に頷いた。そんな話をしてだ。
あらためてだ。こんな話をするのだった。
「それにしても洛陽はねえ」
「怪しい雰囲気に満ちているわね」
「そうですね。私もそれを感じます」
命がだ。暗い顔で妖怪達に話す。今一行は道を歩いている。周りは荒地だ。何もない荒野ばかりが広がっている。砂漠に近い。
「洛陽の方から」
「命ちゃんはどういったものを感じるの?」
「それで」
「はい、黒い気です」
それを感じるというのだ。
「人それ自体を否定し滅ぼそうとするような」
「流石ね。それよ」
「それなのよ」
妖怪達はだ。まさにそれだと話すのだった。
「今都に満ちているのはね」
「そしてそれが国全体に拡がろうとしているわね」
「確かに」
感じながらだ。命は答えた。
「この気配は徐々に」
「さて、あたし達の相手だけじゃないわね」
「貴方達の関係者もいるわよ」
「我等のか」
刀馬がそれを聞いてだった。
その赤い目を顰めさせてだ。そうして話したのだった。
「話は色々聞いているが」
「あれなのか」
天草もいた。彼も言うのだった。
「あの邪神が。まさか」
「それはこれから確かになることよ」
「他にも大勢いるみたいだしね」
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