初戦のハプニング
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……シャロンが決めていいよ』
「え、私が決めていいの?」
『スペースの問題もあるからミッド中の店の要望を聞くことはできないけど、多少なら問題ないからね。その辺りの塩梅も含めて任せるよ』
「そんな簡単に決めていいのかな……? というかシオン、考える役目はほとんど私に押し付けてる?」
『あっはっはっはっ!』
「お〜い? 笑ってないで返答して〜」
『ま、シャロンはケイオスと違ってちゃんと考えてくれてるからね。大丈夫だって信用してるんだよ』
「そう言われた所で、私は簡単に調子乗ったりしないよ?」
『でも真面目な話、この極限の状況で何もしない人というのは一種の負債でもある。子供だろうとそれは同じだ。だから彼らに有用性を与える方法や手段は早めに用意した方が良いよ』
「つまり子供達にも何らかの仕事を与えた方が良いってこと?」
『勉学に専念したい子は勉学させても構わないけど、今は生き残るために何でも利用するつもりでいた方が良い。知識なんて後でいくらでも身に着けられる。でも命は一度失ったらもう取り返せない。今たくさん勉強しても、死んだら終わりなのだからね』
「……わかった、シオンの言うことは私だって考えたし、今は仕方ないと受け入れるよ。でもね、子供達を働かせるなら、いくつかルールを設けたい。一つ、戦闘には出さない。まあ鍛えることは別に止めないけど、徴兵は流石にダメだ。一つ、重労働や残業はさせない。せいぜい大人の手伝い程度で済ませること。一つ、賃金はアルバイトと同等に支払うこと。他にも細かく決めるべきだろうけど、基本はこんな所かな」
『了解した。孤児達もその辺りの教育はしているし、社会の仕組みを学ぶ点でも妥当だろう』
「ただ、最初は試験的に何人かやってからの方が良いかもしれない。だっていきなり全員にやらせて全部がうまくいくなんて、絶対あり得ない。大量に問題が起きて手に余るのは目に見えるし、大人達だって雇う金は無尽蔵に無いんだから、ホイホイと簡単に受け入れることはできないと思う。だから最初は……うん、こうしよう」
そこから私は機材をまとめて店の奥から出てきた店長を交えて、ある話を決めた。それは……シェルターでカフェを経営するなら、子供達を何人か雇うこと。なおこれは初期試験でもあるので、賃金の半分はアウターヘブン社が負担する形にした。
初老の店長は最初は難し気な顔を浮かべ、何も無理に子供を雇う必要は無いんじゃないか、避難民を雇うなら大人でいいんじゃないか、などと疑問を抱いた。まあ平時はその通りなんだけど、経験的に子供より大人の方が危機察知能力は高い。つまり瓦礫撤去などの時にどう動けば邪魔にならないか、などの点を考えると復興作業の現場には大人が行くべきだ。そして子供達には水やコーヒーなどを休憩所まで
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