初戦のハプニング
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言できる」
要は真っ当にやれば専門家顔負けレベルの技術者兼知識人ってことなんだろうが、それならなんで武器商人やってるんだろう……? というか店のコーヒー豆、勝手に使っていいの?
まあ、いっか。他人のことばかり気にしてないで、私ももうひと頑張りしないと色々遅れてしまう。さ、戦闘再開だ。
……とはいえ、実際に戦えばわかるが、クレイゴーレムとスライムの相性はどちらかというと悪い方ではある。例えばクレイゴーレムと自分との間にスライムがいる時、壁叩きなどでクレイゴーレムをおびき寄せるとクレイゴーレムは転がってくるため、動かないスライムはそのまま為すすべなく潰される。そもそもクレイゴーレムの転がり攻撃はうまく誘導できれば、アンデッドを含むあらゆる敵と同士討ちさせることができるのだが、一方で戦うタイミングを間違えるとこの2種類の関係は厄介になる。
敵に見つかってる状態などでクレイゴーレムの転がり攻撃に追われている時、進路上にスライムがいたら挟み撃ちになって避けることができなくなるからだ。まあ、そんな状態に陥っても、避ける方法なら現実的に探せばいくらでもあるが……人間、切羽詰まってる時に冷静な判断はできないものだ。
そんなことを考えながら私は交差点付近で目に入ったスライムとクレイゴーレムを一体ずつ確実、堅実に倒していく。一体ずつなら未熟者でもそれなりに戦えるため、これを幸いに戦いの経験値を稼いでいった。
「これでクレイゴーレム7体、スライム5体か……硬いのと柔らかいのを交互に相手にしてると、力加減が変になりそう……」
なんてぼやくと、カフェから私の姿をずっと見ていたドレビン神父が不敵に笑いながら口をはさんできた。
「フッ……眉目秀麗なお嬢さんが必死こいて戦う姿は見物だが、そろそろ爽快感も欲しいな」
「ハァ〜……ドレビン神父、上から目線の評価、どうも……。」
「評価ついでに訊くが、お嬢さんはエンチャントを使わないのか? 月光魔法の一種で、ある程度腕のあるエナジー使いなら多少なりとも使えるのだが、どうなのかね?」
エンチャントかぁ……ジャンゴさんは昔ソル・デ・バイスで効果を増幅させて使ってたようだけど、元々彼はエナジーコントロールが上手い訳じゃない。だからソル・デ・バイスが無い今は使わなくなってるし、サン・ミゲルの他の皆も使わない以上、私はエンチャントを見たことすら無い。だから……
「ごめん。エンチャント、使えない……」
「ふむ? 本来、魔法の系統図からして月光魔法が使えるのなら、エンチャントも使えるはずなのだがな。……では、特別サービスで使い方を教えてやろう」
「え? いいの?」
「エナジー消費量と威力の効率において、エンチャントはバランスが良い。エナジーの消費を可能な限り抑えたい今のお
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