初戦のハプニング
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サイズの突然変異種が、一度だけサン・ミゲルの近くに現れたことがあってね。ジャンゴさんが討伐に行く際、私も傍で協力したんだけど……ちょっと酷い目にあったんだ……」
「酷い目?」
「……溶けた」
「溶けた?」
「その……服が……」
「……」
「だって、あのスライムの消化能力強かったし、あのままだと体まで溶かされてたし……、き、緊急事態だったから……」
「いや、何も言ってないが?」
「うぅ……」
アレな想像をされる前に弁明したつもりが、自爆した気分だ。
とにかく私自身の服もだが、ジャンゴさんの服を一新したのは実はそういうことがあったからで、修繕も兼ねて私が彼のために新しく作ったのだ。まあ……2年間一緒に住んでた以上、事故で裸を見たり見られたりはあったけど、それはホームでの話で強制野外露出(骨まで)は流石に勘弁だった。
「ふむ、消化能力を抑えれば需要がありそうなスライムだな。培養できたら良い金になりそうだ」
「ドレビン神父、冗談でもそういうのやめて。あんなのが大量発生したら、そこら中で阿鼻叫喚の地獄絵図になるから」
「クックックッ……神の祟りまで受けるつもりは無いからな、弁えよう。だが真面目な話、お嬢さん達は服だけで済んで良かったな」
まあ……本当に体が溶けたらグロテスクまっしぐらだし、確かにその通りだ。というかスライムに負けたら実際にそうなるから、倒されたくない相手ランキングを作ったらトップクラスに躍り出るだろう。
「ん……できればその服は大事に着て欲しいな」
ケイオスが割と良識のある言葉を言ってくれる。今着ているのはエクスシア・ドレスだし、黒は汚れが目立たないとはいえ私だってあまり汚したくない。ま、高級品は高級品で普通の服より頑丈に作られるから、荒事に巻き込まれてもそう簡単に破れはしないだろう。
「まあアレに限らず、スライムの特性に変化が生じているのはやっぱり見過ごせないよね」
「特性に変化?」
「例えば目の前のグリーンは毒持ちだけど、その毒が強化されているんだ。昔はせいぜい視界がモザイクになるような腹痛を引き起こす程度で、生死にかかわるほどではなかった。でも今は即死はせずとも少しの間全身マヒが起こるレベルになってる」
「敵の目の前でマヒ……喰われるの確実じゃん」
「うん、いわば噛み付いた獲物を弱らせ、動けなくなったところを捕食する毒蛇みたくなってるんだ。まあこれは一般人などの毒に耐性が無い人の場合で、ジャンゴさんやマキナ、私みたいに毒耐性がある人なら、多少の誤差はあるけど3秒程度の膝のマヒで済む」
「毒が強いのか弱いのか、判断に困る」
「専門家じゃないから毒の成分に関しては何も言えないけど、グリーンはこんな感じ。それで、元々
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