初戦のハプニング
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情報の要請が来たら? それって自己中というか、厚顔無恥にも程があるというか……馬鹿丸出しだと思う。
「よし、決めた。私とケイオスは敵防衛陣地―――地下水路を突破し、元アレクトロ社研究施設に向かう。ナンバーズは遊撃隊として敵軍到着後、倒さなくて良いからとにかくかく乱して時間稼ぎしてほしい。もちろん負傷した時などはすぐにシェルターに帰ってもらうけど、タイミングは本人に任せる。シェルターは障壁内側に防衛部隊を展開、聖王教会方向を中心に警戒してもらうけど、管理局の動きにも注意すること」
「ん、了解。高町なのはを倒すのはまた今度だ」
『了解。市民の避難確認次第、障壁を展開する』
さて……ここからは時間との勝負だ。全力で走るよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
聖王教会 中央広場
時は少し戻って13時。シャッハが問答無用でアウターヘブン社に訪問しようとしたのをカリムと必死に止めて、何とか彼女が落ち着きを取り戻した後、私はカリムの計らいで一室を借りて休息を取っていた。と言っても疲れがたまって不眠症になったのか、上手く睡眠が取れなかった。今の私は“外が真っ暗”でも睡眠が促進しないほど酷いらしい。
「ふわぁ……バルディッシュ、今何時?」
『16時15分です、サー』
「そう……。はぁ……体が重い……」
『バイタルチェックでも疲れが全然取れていませんね。大丈夫ですか?』
「全く大丈夫じゃないけど……それでも動くしかない」
意識がボーっとして頭がズキズキ痛むのを耐えながら立ち上がり、体をほぐしつつ持ってきた水筒の水を飲んで喉の渇きをいやす。
「ねぇ、バルディッシュ。なんか……静かすぎない?」
私が寝てるのに気遣われてるのかと思ったが、庭や広場で行われる騎士達の訓練の声まで聞こえないのはおかしい。騎士達も休息を取っている? いや、この状況じゃやることは山ほどある。確かに休憩を取る人は少なからずいるだろうが、交代で別の人が動く以上、誰かの声や作業の音が無くなることはありえない。
なら、皆でどこかに出払っている? だとしたら私にメッセージなりメモ書きなりを渡してから行くはずだ。じゃあどうして……? ……あれ?
「ごめんバルディッシュ、もう一度現在時刻を教えて」
『16時17分です』
「つまり今は夕方だよね。なのに“外が真っ暗”ってことは……まさかッ!!!」
異変に気付いた瞬間、窓が割れて黒い影の手のような形状の何かが入ってきた。一目見ただけでわかるそのおぞましい寒気から、アレはマズいと直感した私は急ぎ扉から脱出する。
「ッ!? な、なに……これ!?」
そこで見たのは……黒い影に浸食、いや……“捕食”される騎士、シス
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