戦士のアウェイクン
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しや……“鍵”には生命がある?」
「その通りだよ、ジャンゴさん。“鍵”は人間だ。次元世界全人類のたった一人だけが、“鍵”を持って誕生する。そして何よりこれが一番面倒な性質なんだけど……“鍵”の機能を発揮するには人間としての生命を終わらせなくちゃいけないんだ……」
『ッ!?』
レヴィの言ったその真実が意味することは一つ……『ツァラトゥストラを止めたくば、“鍵”の人間は死ななくてはならない』ということである。
「なんですか、それ……。酷すぎます、そんなの生贄じゃないですか……!」
「わかってるよ、リタっち。ボクだって世界のためだろうと、無実の人を手に掛けるような真似はやりたくないもん。だから“鍵”を死なせなくてもツァラトゥストラを破壊できるように、こっちも色々手を尽くしてるんだよ。そもそも偽情報によるブービートラップの可能性だってあるし、迂闊な真似はしちゃいけない。だからシュテルんは虚数空間でもっと情報を集めて、王様はオーギュスト連邦や色んな世界の人達と協力関係を結んで、ユーリは強力な新兵器や新装備の開発を進めて……そうやって皆で何とかしようと頑張ってるんだよ」
実際、レヴィ達マテリアルズはアウターヘブン社を発展させつつ、根性論などでは解決できない問題を解決に導こうと常日頃から努力している。誰かを犠牲にして生き延びるのは、もうまっぴらごめんだと全員が思っているから。
しかし……レヴィ達のそれは、常人の努力を明らかに逸している。まるで身内が死刑宣言を受けて、それを覆すべくありとあらゆる手段を使おうとしている。そんなイメージを彷彿とさせるほどだ。
「“接触者”もだけど“鍵”も保護する方針で行くのは僕も同意する。だけどそれは僕達とアウターヘブン社が決めた話であって、他はそうじゃない。下手にこの情報が知られれば。管理世界の人間は世界存続のためだと周りに言い聞かせ、血眼になってでも“鍵”の命を奪おうとするのは想像に難くない。だから一刻も早く見つけて匿わないといけないね」
「それもそうですが、ジャンゴさま。“接触者”と“鍵”の区別がつきにくいというのも問題ですよ。もし間違って“接触者”が命を落としてしまったら、銀河意思ダークの攻撃か永劫回帰によって次元世界がまた滅んでしまいます。そうなったら全てが水の泡になってしまいます」
「でも逆に考えれば、候補を絞りやすいってことだよ。さっき言った性質から即ち、対立関係になっている人達がその候補となる訳だもの」
「対立関係ねぇ……今なら管理世界とオーギュスト連邦、人類種とイモータルとかが思いつくけど、ボク達からすれば例の二人がどうしても思い浮かぶよね」
レヴィの言う二人に、この場にいる全員が同意した。特にサクラは深く頷いていた。
シャロンと高町なのは。マキナの
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