戦士のアウェイクン
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命を落とした未踏査領域。唯一、奥地にたどり着いたマキナが見つけた一振りこそが、その1本だよ」
「マキナちゃんが?」
「彼女の遺した日記から、その所在が判明したんだ。いや〜本当に偶然だよ……」
レヴィは語る。2年前の襲撃事件のゴタゴタがある程度片付いた後、髑髏事件に至るまでのマキナの足跡をシャロンに伝えるためにも記録に残そうとした。そのためアギトに日記を読ませてもらい、書いてあった特徴から神剣モナドがギンヌンガ・ガプにあると判明した。
とはいえ、その剣は“命の果実”っていう果物の木を守っていて、マキナはその木から果実だけもらい、強大な力を持つその剣はそのまま置いていった。そして、今まで治療不可能と言われていた病気や怪我、遺伝子の損傷を治す力を持つオメガソルを作り出した。剣の力があれば、薬を作らずとも治せたかもしれないのに、マキナはそうしなかった。人智を超えた万能の力ではなく、培ってきたヒトの力で克服しようとした……マキナにとって必要だったのは、世界を書き換える力じゃない、ただ救いを求める命に希望の光を与える薬だった。
「だからボク達は、あの剣がその地にあることこそが、マキナの意志を守ることでもある。そう思ってたから回収しなかったんだけど……」
「絶対存在を封印するために、その力が必要になってしまった、か……。ごめんね、レヴィ。君達の苦悩、僕もよくわかる。君もマキナの大事な仲間だもの、あの地で生きる命を守ろうとしたマキナの意志を踏みにじるような真似はしたくないよね……」
「うん……だからボク達は一生懸命他のモナドを探したんだけど、ただの1本も見つからないんだ。この次元世界が生き延びるのに必要なのは絶対存在の数から2本、でもギンヌンガ・ガプにある1本は出来れば使いたくない。なのに所在が判明しているモナドはその1本だけ……。世界の存続のためにも、足りない場合は使わざるを得ないとわかってるけど、色々もどかしいよ……」
悔しそうに俯くレヴィだが、ふと何かを思いついたサクラが挙手した。
「あのさ、モナドが絶対存在の封印の要として使えるなら、もしかしてエネルギー源としても使えたりするのかな?」
「え? あ〜……多分使えると思う。文献によると、かつて聖王のゆりかごのパーツとしても使われたことがあるらしいし、その側面がある可能性は高いね」
「じゃあさ……ツァラトゥストラか、あるいはデウスの動力源の一部になってるって考えられないかな? ほら、“天の聖杯”の力だけが動力源だと、もしそれが尽きた時に何も出来なくなるし、予備電源かバッテリーみたいな感じで備え付けられてるかもしれない。見つからないのは既に使われてるせいって可能性も十分あると思えるけど……?」
「あ……確かにあり得る。むしろそうなってる可能性の方が高い
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