戦士のアウェイクン
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対存在でも二度と後れは取らない!」
「……やっぱりお兄ちゃんも“男の子”なんだなぁ。でもそういう所、可愛い……」
「あの、サクラさま……?」
サクラの妙にうっとりした顔にリタは若干の気まずさを感じたものの、サクラはジャンゴの仲間で義妹なので、何も言わず彼女はそういうヒトなのだと、黙して受け入れることにした。
一方、ジャンゴは新しい剣にわくわくしながらも、一週間後の戦いに向けて今からやるべきことを頭の中で考えていた。だが……どれだけ大事な作戦でも、予定が覆ることはある。
「あ、でも一週間後って……うわぁ、そう来るのぉ〜……?」
「ん? サクラ、一週間後に先に予定入ってた?」
「予定っていうか、実は一週間後に学校でテストがあるんだ……。しかも進級かかってる大事な奴」
「いやそれ、学校行ったことが無い僕でもわかるぐらい欠席しちゃダメな奴だよね?」
「でも私も戦いに参加しないと、色んなヒトの命かかってるし……」
フェンサリルで起きた問題に対処するならテストの延期も考慮してくれるだろうが、外の世界での戦いに赴くのは意味が違う。次元世界で起きた出来事はフェンサリルの学校に一切関係無い以上、延期に期待するのは無意味だろう。
いずれ次元世界から去るつもりとはいえ、せっかく通わせてもらってるんだからその善意には応えたい。しかし自分が戦わなければ多くの人が犠牲になる。サクラが悩むのは自分の人生や世話になってる人の善意を置いてまで他人を救うべきなのか、あるいは他人が犠牲になるとわかっていながら自分の人生に注力してていいのか、人間的に優しいが故にその辺りの折り合いがつけられないからだろう。
そしてこの悩みは僕やシャロンにも適用される。僕はゴールが見えたとはいえ、戦いはまだ続くと思っている。だからシャロンと暮らしていた頃、彼女と今後の人生について互いに話し合っていく内に、僕も身を固めるなどのことも含めて色々考えるようになった。
「……」
「ジャンゴさま? わたしの顔に何か?」
「いや……何でもない」
とにかく、だ。僕とシャロンは自分の人生を蔑ろにするつもりは無いって話だ。もちろん他人を助ける努力は惜しまないが、限度は見極めるようになった。要するに……戦いも大事だが、それ以上にプライベートを大事にしよう。そう思うようになったんだ……。
サクラがこの戦いに参加するかどうか、それは彼女の意思次第だ。ただまあ、サクラはもうちょっと自分を優先してもいいと思う。もしかしたら自分の価値を低く見がちなのは、“高町なのは”の血がそうさせるのかもしれない。
「私のオリジナルに限らず、日本人ってそういう優柔不断な所あるんだよね……。物事一つ決めるだけでやたら時間かかる所とか、変わることを許容しない社
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