戦士のアウェイクン
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ら管理世界にいる地球出身者は地球に帰ることが許されなくなるから、今の猶予期間の内に地球に戻るか、管理世界に居続けるか選ばなくちゃいけないって話だよ」
「ずいぶん厳しいね、なんでそんなことになってるの?」
「それはね、管理局が私のオリジナルやはやてちゃんといった地球生まれの人を連れて行くのは、地球にとっては誘拐や拉致も同然だから国連や各国政府がすごく怒ってるんだ。それでラジエルが交渉した結果、どっちに帰るのか当人に決める権利を与えたの。ただ、オーギュスト連邦に参加すると決めたのは国連だから、国連に参加していない国やその国出身の人はどうするかなどで会議がまだあるみたいだけど、ひとまず地球出身者は近い内に故郷に帰るか、帰化するかを決めなくちゃいけないの」
「へぇ……」
「一方で他の問題も起きてきているんだ。連邦と条約を結んだのは国連だけど、連邦からの技術提供や貿易などの協力関係はアメリカが主導で結んだから、結果的にその恩恵はアメリカと同盟国が多く受けられる形になった。つまり、アメリカを始めとする資本主義勢力に大きなバックがついたことになるんだ」
「国連があっても地球は一枚岩じゃないからね。となると、主義が違う国家は出遅れる形になる?」
「うん。特に中国やロシアを始めとする共産主義、社会主義勢力は、即座に対応を迫られることになる。そして……連邦と対立関係にある管理局ないし管理世界と手を結ぶと考えられる。今だから言えるけど、管理局の思想は共産主義の極みと言っても過言じゃないし、管理局も孤立しかけている以上、援助を受けられる相手を探して地球の共産主義勢力とくっつくのは、あり得ない話じゃないと思うの」
「ってことは要するに、オーギュスト連邦と管理世界の対立が、地球上で資本主義と共産主義の対立を一気に過激化させるってこと?」
「大量のガスタンクに火種が直結するようなことだし、下手すれば地球を舞台に次元世界を巻き込む第3次世界大戦が起きかねないけど……そこまでの大戦は起きにくいんじゃないかな」
「なんで?」
「第一に、今の管理局と管理世界にそこまでの力は無い。確かに勢力としては大きいけど、資源も資本も自分達の分すら足りてないからね。亡国の没落貴族がバックなのと、大企業の敏腕社長がバックなのとでは意味合いが全然違うでしょ?」
あぁ、その例えはすごく想像しやすいな。
「一応、地球の方にだって抑止要素はあるよ。今国家間戦争を起こせば、その国は世界中で非難される。だから現代で国家が争う場合は、小国で起きてる内戦や地域紛争、対テロ活動や暴動鎮圧などを利用した代理戦争が舞台になるんだ。でも……戦争経済はそういった小さな戦争を経済活動に利用し、社会を築く時代を作っている。だからこの懸念が実現しちゃった場合、ギリギリの緊
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