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リリなのinボクらの太陽サーガ
戦士のアウェイクン
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が内容だったから、もしそれが次元世界全土に公表され、しかも何かの間違いで管理局がそれを締結したら、ミッド出身者は一瞬で迫害の対象になる。ま、この作戦だって時間制限があるんだし、運べる人数にはどうしても限度があるから、市民全員がいきなりこっちに来るなんてことは無いと思うけどね。結局どれだけ脱出させられるかは、支部とフェンサリルの善意と協力の度合い次第かな」

「ゴリアテぐらい大きくても、運べるのは大きく見積もって5百人……対してミッドの全人口は、襲撃前の記録では5億人を超えてたはず。ほとんどがミッド出身者だとしても、管理世界出身者の数は数万人以上いる。これまでの襲撃で多くの人が犠牲になったことを加味しても、一回の突入で全員を運ぶのは到底無理だって私でもわかるよ」

「うん。だから着陸させた次元航行艦には乗せるんじゃなくて、転移魔法で脱出の中継を担わせるつもり。ミッドに着陸させた補給艦からゲートキーパー搭載艦、そこから次元空間に待機させた別の艦って感じに転移を繰り返すの。こうすれば転移魔法を維持している時間だけ脱出させられるし、ゲートキーパーも少数で済み、撤退時は艦に直接乗せてそのまま逃げればいい」

「要するにラインを作って運搬させる感じでしょうか。それでこのラインはゲートキーパーの数と同じだから、効率とそのまま直結していることになるんですね」

「だからせめて持ちこたえられる時間を長くできるように、補給物資も運ぶ。その間に脱出させる手筈なんだけど……やっぱり人選が必要だし、選ばれなかった、間に合わなかった人達のパニックや暴動が起こることも考慮しておかないといけない。一応多く見積もって、ギリギリ管理世界出身者全員は脱出できる計算ではあるけど、これは邪魔が入らない場合だから希望的観測なんだよね。そもそもフェンサリルにとってミッドチルダは敵国。その市民を救出することになる作戦への協力なんて、下手したら連邦への裏切りと受け取られかねない。あ、一応フェンサリルに害が及ばないように手は打ってるよ? でもそれは……ううん、これは今話すことじゃないか。にしても仕方ないとはいえ、選んで生かすなんて嫌な話だよ……」

辛い表情を見せるレヴィだが、彼女のやるせない気持ちは皆が同じだった。一度に全てを救うことはできない。ヒトである以上、それが叶わないことに大きな無力感を抱いているのは僕だってそうだ。だが……、

「根本的な解決を図るとするなら、ギジタイを壊せばミッドチルダを覆う次元断層は消える。なら……!」

「はい、スト〜ップ!」

ギジタイへ行こうと宣言しようとした時、かつてマキナが僕を静止させた時のセリフをサクラが口にした。

「あの時のダメージが残ってるんだから、まだダメ。治るまで安静にしてないと、傷が開いちゃうよ。今は無理をしないで、お
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