戦士のアウェイクン
[1/19]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
第13独立世界フェンサリル、イザヴェル東地区
アウターヘブン社FOB 女子トイレ
今、私はとんでもない危機に陥っとる。これは昔、地球でなぜか起きた“平均点以下は椅子ロケット事件”で、うっかりミスで平均点以下を取ってしまい、なのはちゃん共々天井に首がめり込んでしばらく抜けなくなった時以上や。
腹痛に苦しみながらも事情聴取を終え、トイレに来たのはええ。SOPの停止以降ずっと続いてた不調もようやく収まってきたから、当分は人前で乙女力が壊滅するような事にはならんやろう。当分は……な。
「後の事より先に、今をどうにかせんと……」
若干の現実逃避の気分を抱きながらも、そう呟いて何とか現状を改めて目視する。100mm×20mm……これ、なんやと思う? トイレットペーパーの残りや。
これだけでどないせいっちゅうねん。直接言いたかないから比喩表現使わせてもらうけど、相手はドロやぞ。これで拭いたらどう考えても手に被弾するで、絶対もっと紙いるやん。思わず頭を抱えたくなるのもわかるやろ?
とりあえず現状を整理しよか。まずここのトイレは事情聴取を行う場所にあるせいか、利用者が他と比べて極端に少ない。使うのは私と同じように聴取を受ける者か、レヴィちゃん達のように聴取を行う者、あとは掃除の人ぐらいや。そしてトイレットペーパーはエコ的な観念からなのか芯の無いタイプやから、芯をほぐすという手段も使えん。
そして現状で最も頼みの綱とも言えるレヴィちゃんやけど、さっきの聴取の記録をクライン将軍と確認し、内容に不備が無いか調べとる。それが終われば多分、気付いてくれるとは思うけど……そもそも終わるまでの時間がわからん。下手すれば一日かかるかもしれへん。その間ずっとトイレに閉じ込められるって……、しかも尻にドロ付けた状態で放置って……、うん、屈辱過ぎて死にたくなるわ。ついでにかぶれるわ。
あ、いや、流石にガチで死ぬ気はあらへんよ? そんぐらい恥ずかしくて辛いって話や。はい? アヘ顔晒したくせに今更? ……あの、私に残ったなけなしのプライドに焼夷弾打ち込むのやめてくれへん? そういうの地味に傷つくんやで……。
「ナイーブになっとる場合でもないか……。さて、どないしよう……」
ここから大声で助けを求める? いや、扉の2、3枚も挟んだら多分届かんやろ。なら近くの部屋にいるヴィータ達に念話する? いやいや、ここで魔法使ったのがバレたら、リアルな意味で立場が悪くなるやろ。せっかく事情聴取で身の潔白を伝えたばかりやっちゅうのに。
「ふふふん、ふんふんふんふん♪」
ん? 外からフェイトちゃんと同じ声が聞こえてきたってことは……、
「そこにおるの、もしかしてレヴィちゃん?」
「あれ、その声ははやてん? まだ出てないの?」
「ま
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ