第七十四話 于吉、裏で蠢くのことその九
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華陀はあらためて仲間達に話した。
「とりあえず山に入ったら皆は適当に修業でも食事でもしていてくれ」
「ダーリンはその間になのね」
「張魯様とお話をするのね」
「ああ、その通りだ」
まさにそれだというのだ。
「そうさせてもらうからな」
「わかったわ。じゃあね」
「待たせてもらうわ」
妖怪達は彼の言葉に頷いた。
「それじゃあね」
「その間私達の美に磨きをかけるとするわ」
「自分達がそう思っているのならいいが」
刀馬も多くは言わなかった。そこまでの気力はもうなかった。
「とにかく俺達はだ」
「刀馬様は何をされますか?その間は」
「修業だな」
それをするとだ。命に答えた。
「それをしよう」
「わかりました。では私も」
「御前も修業をするか」
「はい、そうさせてもらいます」
実際にそうすると答える彼女だった。
「刀馬様と共に」
「ではそうしろ。俺は一人でもできる」
「はい、それでは」
そんな話をしてだ。彼等はだった。
山に入ったのだった。そしてそこでもだった。
「なっ、何だあの二人は!?」
「人間か!?いや、違う」
「化け物か」
「魔物か!?」
勿論あの二人を見ての話である。
「何処から出て来た!?」
「魔界からなのか」
「何処の山にいた」
「どうしてこの山に来た」
「んっ?皆どうしたんだ?」
華陀は驚く彼等に何でもないといった顔で返した。
「おかしな奴でも来たのか?」
「いえ、その二人ですが」
「華陀様の左右にいる二人です」
「その連中ですが」
彼等はこう言うのであった。その彼等を指し示してだ。
「一体何なのでしょうか」
「人間なのですか?」
「人間だが?」
その通りだとだ。華陀は落ち着いた声で答えた。
「それ以外の何に見えるんだ?」
「そ、そうですか」
「華陀様がそう仰るのならです」
「我等もそれでいいのですが」
山の者達は華陀の話を聞いてとりあえずは頷いた。山は道観があちこちに建てられ塔も見える。山全体は道観になっている感じだ。
そこには道士達がいる。その彼等が華陀に問うているのだ。
「それでお二人の名前は」
「何というのでしょうか」
「あたし貂蝉よ」
「あたしは卑弥呼よ」
二人はポージングをしてそれぞれ名乗った。するとだ。
その瞬間だ。周りで大爆発が起こった。それだけでだ。
「宜しくね」
「優しくしてね」
「名前を名乗っただけで爆発が起こっただと!?」
「どういう能力だ」
山の者達はまた驚くことになったのだった。
「ううむ、華陀様も何とも思われないのか?」
「この事態に」
「いい連中だぞ」
やはり平然として言う華陀だった。
「俺の親友だ」
「いやね、ダーリンったら」
「親友なんてものじ
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