蒼紅:第三十七話 悪夢
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パンテーラのSPスキルは神経にも影響を及ぼし、何時ものように動くこともチャージもままならず、レーザーと反射弾による攻撃を何度も受けてしまう。
「(かわせないのなら…攻撃するまでだ!最後の切り札を切ってきたのなら恐らく、今のテーラにも余力はないはずだ!!)迸れ、蒼き雷霆よ!天体の如く揺蕩え雷!是に到る総てを打ち払わん!!ライトニングスフィア!!」
「ぐあっ!」
「きゃあっ!」
男性体と女性体が近付いた瞬間にライトニングスフィアの雷球を当て、男性体と女性体に同時にダメージを与える。
「これで…終わりだ!迸れ、紅き雷霆よ!降り注げ!メテオスパーク!!」
追撃でソウの持つスキルで最も攻撃範囲の広いメテオスパークで追撃する。
降り注ぐ雷撃弾は女性体に数発直撃した。
「ああっ!愛は…散りゆく……」
ダメージを受けた女性体の体が鏡となって砕け散り、男性体の姿が消えた。
「どうやら俺達が相手にしていたのは幻覚だったようだな…」
次の瞬間、奥のシャッターが開いた。
「開いた………兄さん」
「どうやら、奥で決着をつけたいらしいな…GV、戦う気力は残っているか?」
「僕は大丈夫…兄さんこそ大丈夫なの?」
「…問題ない…行くぞ」
互いの意思を確認し、2人はゆっくりとシャッターへ進んでいき、シャッターを潜った先には祭壇があり、どこか幻想的な風景が広がる。
「見つけたぞ、テーラ…シアンを返してもらうぞ」
本物のパンテーラの前にはシアンとミチルが浮かんでおり、2人共気絶しているようだ。
「やはり、あなた方をお相手するのに、転写体では不充分でしたか…残念です。それだけの力があれば理想郷の実現が早まると言うのに…」
「テーラ、僕は君のやり方が間違っていると言う考えは今も変わっていない。でも多分、君の言っていることも正しいんだと思う。僕も…兄さんに助けられず、フェザーにも拾われていなかったら無能力者を憎むことしか出来なかった。フェザーに所属していた無能力者の人達と交流して、オウカと出会って…全ての無能力者の人達が僕達を迫害するような心ない人達ばかりじゃないと知っているからこそ、能力者と無能力者の共存を信じたいんだ。」
「その為に、どれだけの同胞が苦しむことになるのかを考えてのことですか?」
「…うん、僕は……諦めたくない…この道を信じたい」
「そうですか…ソウ、あなたは?」
GVはどうやっても考えを変えるつもりはないようで、それを悟ったパンテーラがソウの方を向く。
「俺はただ、俺の大事な物の為に戦うだけだ。無能力者は憎いが…何もしてこないのならどうでもいい。何かするようなら即座に滅する。今は弟の為に、そしてお前を止めるために戦う」
「…
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