第7章:神界大戦
第222話「もう、振り返る事はない」
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その“立方体”は壊した。
だが、それは一つだけではない。
割り込んできた神は物理的戦闘において凄まじく強く、優輝を逃さない。
優輝がその神に張り付かれている内に、イリスはもう一つ同じ物を取り出した。
「くっ……邪魔だぁっ!!」
「ふふふ……目覚めなさい“エニグマの箱”」
“立方体”……エニグマの箱が起動する。
それは、以前優輝達が見つけたロストロギアと同じ物だ。
幽世の大門を開き、その世界を特異点と変えてしまう代物。
祈梨の言っていた通り、“闇”に属する神であれば作れてしまう物だ。
そして、それは相手の領域を浸食する事も出来る。
「(……分かっていた事だけど、もう勝ち目はなくなったな)」
領域の浸食。つまり、優輝の“世界”が浸食される。
抵抗は可能だ。だが、飽くまでそれは余裕があればの話。
完全な劣勢である今の状況では、王手から詰みに持っていかれたようなものだ。
「……まぁ、いい。一人でも道連れにする事に変わりはない」
「そうか。だが私に勝てるか?」
「戦闘向きの神か……いくら物理的に強くても、勝敗は別だ」
余程戦闘に自信があるのか、割り込んできたその神は優輝を嘲る。
元より圧倒的に不利な状況なため、そう思うのもおかしくはないが……
「ふっ!」
「ッ!」
直接的な戦闘であれば、導王流はかなりの強さを発揮する。
とこよやサーラを遥かに超えるスピードだろうと、優輝には関係なかった。
拳を受け流し、そのスピードを攻撃力に変えてカウンターを決める。
「がっ……!?」
「(……尤も、一人なら問題ない。……一人なら)」
この場には神界に来たメンバーを遥かに超える数の敵がいる。
目の前の神を含め、直接戦闘に長けた神も何人かいるだろう。
加え、その神の“天使”も同じように強い。
「“戦い”、“強者”、“最強”、“無敵”……まぁ、他にも色々あるだろうが……」
相手の“性質”がどんなものか、優輝は推測する。
……が、すぐにそんな思考は捨てる。最早関係ないからだ。
刹那、複数の神と“天使”が姿を消す。
否、そう見える程のスピードで動いた。
間髪入れずに、優輝も同じように動く。
「ぐっ!?」
「がぁっ!?」
「ッッ……!」
姿が現れ、再び消える。
そう見えるような高速の読み合いの直後、優輝達はぶつかり合った。
優輝の四肢の内、片手片足がカウンターを返し、もう片方は防御する。
だが、それだけでは手数が足りずに攻撃を受けた。
「ッッ!!」
即座に瞬間移動して間合いを取り……また瞬間移動する。
相手は直接戦闘に長けた神達だけではない。
他
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