第7章:神界大戦
第222話「もう、振り返る事はない」
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」
同時に、“穴”が自動的に塞がるまで、“世界”は蓋の役割を担っていた。
「ですが、それは同時に……!」
「諸刃の剣となる。……当然、理解しているさ。ここが僕の領域というのなら、この“世界”が砕けた瞬間僕は敗北する」
裏を返せば、優輝は弱点そのものを晒している事にもなる。
それをソレラが指摘するが……
「でも、それが何か?」
「え……?」
「僕がここで潰えたとして、全てが終わる訳じゃない。可能性は既に託したし、後は繋いでいくだけだ。……僕はな―――」
優輝は揺らがない。
決して退かず、挫けない。
そして、一泊おいて宣言する。
「―――今ここで!命を使い切るためにここに立っているんだ!!」
その言葉と共に、金色の燐光が淡く浮かび上がる。
それらは優輝の展開した“世界”全体で表れており、それに呼応するように優輝から力の圧力が発せられる。
「ッ……!」
ソレラを含めた、一部の強くはない神と“天使”がその力に後退る。
既にこの時点で、瀕死にも関わらず優輝の方が“上”だと察したようだった。
「……無駄死にはしないぞ。……一人でも多く道連れにしてやる」
優輝から放たれる“力”が鳴動する。
膨らみ、集束し、研ぎ澄まされていく。
同時に、いくつもの武器が優輝の周囲に出現していく。
「………ふ、ふふ……あはははははははははははははははははは!!」
「っ……」
そんな優輝を見て、突如イリスは笑い出す。
「ええ、ええ!それが!それが見たかったのです!!貴方のその可能性を示す様を、私はずっと待ち望んでいたのですよ!」
「……ちっ、本性を曝け出したか……」
「もう大人しく取り繕う必要はありません!今度こそ、ええ、今度こそ!貴方の“可能性”を魅せてもらった上で!……堕として差し上げます」
感極まるように、イリスは叫ぶ。
優輝が背水の陣で立ち向かってくる。それを待ち望んでいたと。
誰よりも恋焦がれるように、愛する者の名を呼ぶように。
それらの想いが、刃となって優輝を襲った。
「ッ―――!」
始まりは唐突だった。
優輝がその場から瞬間移動すると同時に、何の前触れもなく“闇”が現れる。
予備動作が一切ないため、完全な初見殺しだった。
「(呑まれれば足が止まる。……今はそれを避けるべきだな)」
捉えられないように宙を駆ける優輝はそう考える。
同時に創造した武器を二つ手繰り寄せ、即座に投擲する。
「ちっ!」
「っ、ぉおっ!」
片方の武器が迫っていた神の一人を足止めする。
もう一人は武器を弾いてそのまま肉薄し
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