第7章:神界大戦
第222話「もう、振り返る事はない」
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一拍おいて言った。
「―――皆に“可能性”を託す。……皆が、倒すんだ」
「………」
後ろ髪を引かれるのを振り切るように、次々と優輝以外が神界から脱出していく。
最後に残ったのは、途中からずっと無言だった奏となのはだ。
「じゃあ、私達も……」
「優輝さん……」
脱出する際、二人は優輝の方を振り返る。
優輝はずっと出口に背を向けたままだった。
その状態で、再び口を開く。
「……後は、任せたよ。なのは、奏」
「……うん……!」
「ッ……!」
それだけ言って、二人は出て行った。
穴のような出入り口とはいえ、神界と元の世界は隔絶されている。
「……いや、―――、―――」
故に、直後に優輝が放った二つの“名”は、二人には聞こえなかった。
「…………………」
数瞬か、数秒か、数分か。
時間が曖昧となり、その中で優輝はしばし佇んでいた。
「ッ―――!!」
そして、唐突にそれは終わる。
刹那の間に迫っていた極光を、創造しておいた刀で切り裂く。
「まったく……初っ端からか」
切り裂いた刀はその一撃で砕け散る。
それだけ、極光に威力が込められていた。
「(“穴”はまだ塞がっていない。……最低でも稼ぐ時間は、これが目安か)」
背後にある神界の出入り口の“穴”に視線を少し向ける。
なのはと奏が出てから、“穴”は塞がり始めている。
しかし、塞がる途中であれば穴を広げる事は容易い。
そのため、優輝は完全に塞がるまで神界の神々を食い止めなければならない。
「(まぁ、尤も……最期まで諦めるつもりは毛頭ないけどな!)」
理力の刀が何本を創造され、優輝の周囲に刺さる。
直後、彼方から再び極光が、それも今度はいくつも迫る。
刺さった刀を引き抜き、一刀ずつ犠牲に極光を切り裂く。
「ふっ!」
「はぁっ!」
そこへ、何人かの神と“天使”が転移してくる。
そのまま攻撃が繰り出され、優輝に直撃―――
「なっ……!?」
「想定済みだ」
―――する事はなく、数歩後退しつつ体を逸らし、回避する。
そのまま体を捻り、極光も切り裂いていた。
「吹き飛べ」
「ッッ!?」
「瀕死の身で、なぜこれほどの……!」
同時に理力で力場を構成、炸裂させて転移してきた神達を吹き飛ばす。
「なんでだろうな?……まぁ、一度人の身に生まれ変わってみる事を勧めるよ。……ここから先は、誰一人通さない」
まさに不退転。
致命傷を負い、瀕死とは
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