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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica56イリスとルシリオン
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シュとも、俺は結婚しない。出来ない、してはならない。解かるだろ? というか話したろ? 俺は――」
「もうすぐ死ぬから、ってか・・・」
わたしがデートに誘われた理由を、連絡を貰ってからの1週間の間にずっと考えてた。普通なら自宅でお誘いを祝うパーティを開くレベルだけど、その前にルシルから、セインテストの秘密を語られたことで、素直には喜ぶことが出来なかった。
「ねえ、ルシル。こんな話を知ってる? 余命幾ばくもない女性と結婚した男性。幸せな時間を過ごしていた2人を突如襲ったのは、もう治る見込みのない病を患った女性の時間が後僅かというもの」
「・・・」
「病を患った女性は、男性に別れるように言ったの。男性の家族も、もうじき死ぬ女性と別れるように伝えた。だけど男性は、女性と別れることなく甲斐甲斐しくお見舞いに行き続けた。女性はそのおかげか1年以上も生き長らえた。だけど、その幸運は長く続かなかった。病状が悪化して、残り半年しか生きられないと診断された。いよいよ男性家族は、男性と女性を別れさせようとしたけど・・・」
「男は、恋人にプロポーズした。当然、男の両親は反対したが、男は恋人を説得し続け、恋人も実はずっと結婚を望んでいたため、2人は結婚式を挙げることにした」
「そ。女性は結局退院できないまま、それに夫婦としての時間は半年と短いものだったけど、男性も女性も幸せだってっていう話」
ショーウィンドウから離れたわたしは、ルシルの腕からも離れて一足先に歩き出すと、ルシルも遅れて付いて来てくれて、「それが・・・なんだって言うんだ」って聞いてきた。聡いルシルならもう察してるだろうけど・・・。
「あなたがこの前話してくれた、セインテストの秘密。信じたくないけど事実だろうから、それを踏まえて言うよ」
セインテストの秘密。それはオーディンもルシルも、加えて歴代のセインテストはみんな、初代セインテストのクローンだったというものだ。たとえルシルがクローンであってもなんとも思わない。それを言ったらフェイトもヴィヴィオもフォルセティもそうだから。
何よりショックだったのは、ルシルに残された時間があまりにも少ないということ。何の対処もせず、魔力を消費せずにのうのうと暮らして3年。“エグリゴリ”の全滅とリンクして命を落とすなんて言う、クソみたいなクローン設定によっては、リアンシェルトとガーデンベルグを斃したら、ルシルもそのまま死ぬ。場合によったら1年も生きられないってことになる・・・。
「ルシルは、自分に残された時間が無いから、わたし達の告白を断ろうとしてるんでしょ? どうせこのデートだって、わたし達に最後の思い出を、みたいな理由でしょ? 正直大きなお世話なわけ」
「っ!・・・すまん」
「ん。ねぇ、ルシル。さっきの例え話
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