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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica56イリスとルシリオン
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心は満たされたから、わたしも左手でルシルの手を覆って「ん。我慢する」頷いた。
『本日お越しくださったお客様方。これより本日午前の部のスケートレースを行います。奮ってご参加ください』
「レース? へぇ、今はそんなイベントがあるんだ〜」
クヴェル大広場の池は直径140mくらいある。だから拡声器を使ってされたそのアナウンスに反応すると、ルシルが「出てくるか?」って聞いてきた。
「・・・ルシルが応援してくれたら絶対に勝てる。だから・・・」
「ああ、もちろん応援するよ。シャル、行って来い! そして優勝を掻っ攫って来い!」
「うんっ! いってきます!」
参加者を募ってるカウンターへ戻って、レースに「参加します!」と手続きに入る。参加費は無料だけど、ある誓約書にサインを書かされた。曰く、治癒魔法を扱える救護員はいるけど、それでも治せない怪我を負っても責任は負えない、と。
「ではこちらのビブスを服の上から着てください。そしてヘルメットを装着してください」
識別用のナンバーやプリントが施された薄いベスト、ビブスを受け取って、ポンチョとストールを外してから着る。若干胸のところが窮屈だけど、まぁそこは辛抱しようじゃないか。
「ルシル。ポンチョとストール預かっておいてくれる? 待ってる間、匂いを嗅いでいてもいいよ♪」
「どうしてお前は、俺を変態にしたいんだよ・・・。馬鹿なことを言ってないで行った行った」
「はーい♪」
レースのルールは至極単純。100mの直線コースを、1レース5人で速さを競い、それを繰り返す。で、各レースの1位による決勝っていう予定らしい。そして第1レースに参加するわたしは、他の4人をチラッと見る。
(全員男の人か。ふふ、これでもあのセレスに、氷上の妖精、とまで呼ばれたのだ! 負けはせんよ!)
優勝商品は、今年の芸術強化月間内に限定開店してるお店で使える3割引クーポン。3割というのが安っぽいけど、何か美味しい物を食べるのに使わせてもらおう。
「オン・ユア・マーク。ゲットセット」
レンタル屋の店員さんが右腕を高々に上げた。スピードスケーターのようなスタートの構えを取り、「ゴー!」腕が振り下ろされると同時に駆け出す。この時点でわたしと、もう1人の青年でトップ争いだ。
(ちょっ・・・! このフォームにスピード、ひょっとしてプロスケーター・・・!?)
すごい綺麗なフォームを見せる青年から徐々に引き離され始めて、「こんのぉぉぉーーーー!」全力で追いかけた。少しだけ距離が縮まったってところで、自慢の動体視力が捉えたのは、空から降ってきた白い・・・白い鳥のフン。それが胸元に落ちそうになった。
「ぴぎゃっほーう!」
変な悲鳴が出た。普通に陸戦状態ならこんな無
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