強き者たちへ
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いる格好のティオスにこの一撃は大きかった。いかに天使の力を得てダメージを軽減できる彼でもシリルの手に入れた妖精の心臓の力の前にはそれも無力。
「竜神の・・・」
すぐさま次の一手に出ようとした青年だったがシリルはそれを読んでいた。口に魔力を溜めるその一瞬の隙に彼の顔を鷲掴みにする。
「水竜の盾」
「!!」
その手ですぐに水と風の盾を展開するシリル。彼の行動にすぐに危険を察知したティオスは溜めていた魔力を飲み込む。
「チッ」
攻撃をやめたティオスはヘッドスプリングの要領で起き上がろうとする。その際に目の前の少年の足に自身の足を絡める。
「うおっ」
体格差にはさすがに逆らえずひっくり返されるような格好になったシリル。空中で絡まった足を無理矢理ほどいた少年。二人は背が向き合う形で着地すると、すぐさま向き直る。
「水竜の・・・」
「竜神の・・・」
全く同じタイミングで同じ攻撃に撃って出る両者。魔力が溜まるタイミングも感じられる大きさも全くの一緒。
「咆哮!!」
「怒号!!」
同時に放たれたブレスは互いを打ち消し合い大爆発を引き起こす。黒い煙が晴れると、そこにいる二人は距離を取って睨み合っている。
「これが妖精の心臓の力か・・・すごいものを見せてもらった」
真っ白な神のような姿をした少年を見据えてティオスはそう呟いた。力は全くの五分・・・しかし、ティオスに焦りは一切感じられない。
「楽しかったよ、シリル。最後に面白いものを見せてもらった」
「あ?」
不敵な笑みを浮かべる青年に訝しげな表情を浮かべる少年。そんな彼を尻目に、ティオスの漆黒の翼が黒さを保ったまま、光を放ち始めた。
「シリル、これが君から受け継いだ最後の力・・・さぁ、大人しく眠るといい」
ティオスが封印していた最後の魔法・・・天空の滅悪魔法を解放した青年は鋭い眼光を光らせる少年を見下ろしていた。
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