ターン16 魂鋼の風雲児
[6/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
手したら僕より強いですよ、変に手出ししても邪魔になるだけです」
すっかり観戦気分になって見守る他所では、ちょうど4人のデュエルが始まろうとしていた。どちらに注目しようかと1瞬考えて、銀髪の女性に集中する。言うまでもなくお姉様の即席応援団になって拳を振り上げる隣の少女の存在もあるが、単純に糸巻ならばあの程度の相手にはどうせ勝つだろうと踏んだのだ。ならば、手練れなことはその所作から予想がつくものの実力未知数なもう片方のデュエルが気にかかる。
「「「「デュエル!」」」」
先攻を取ったのは、チンピラの男。よほどいいカードでも引けたのか下卑た笑みを浮かべつつ、意気揚々とカードを出した。
「メインフェイズ1の開始時に永続魔法、スローライフを発動!このカードは俺のフィールドにモンスターが存在しないときにだけ発動でき、互いのプレイヤーは自分のターンに通常召喚か特殊召喚のどちらか片方しか行えなくなる。俺はこのターン通常召喚を行い、終末の騎士を召喚!このカードは場に出た際、デッキから闇属性モンスター1体を墓地に送ることができる。俺が選ぶカードはレベル5、異界の棘紫獣だ」
終末の騎士 攻1400
「おっと、せっかくスローライフを発動したのに除去されたらつまらないからな。このカードも発動するぜ、永続魔法遮攻カーテン!このカードは俺のカード1枚が破壊されるとき、このカードを身代わりに破壊することができる。さあ、これでターンエンドだ」
あからさまな下準備に費やされたターンを終え、いよいよ鼓へとターンが移る。満を持してカードを引き……わずかな沈黙の後、少し首を傾げた。
「……ふむ、少し面倒だな。仕方ない、このターンは超重武者ソード−999で受けて立つ。そして999は場に出た際、自身の表示形式を変更できる。私はこれでターンエンドだ」
スローライフによりこのターン選んだのは、鼓もまた通常召喚。重量級の和装らしき意匠の施された赤い人型機械が、その太い両腕を打ち合わせて絶対防御の姿勢をとる。
超重武者ソード−999 攻1000→守1800
……え、それだけ?誰も口に出しはしないが、そんな気配があたりに満ちる。着々と攻め込む準備を進めるチンピラに対し誰がどう見ても防戦一方な1ターン目に、皆が反応に困り何とも言えない微妙な空気に包まれる。まして、そのすぐ隣ではこの通り。
「オラオラオラ、墓地から妖刀−不知火の効果発動!このカードとレベル6の刀神−不知火を除外することでレベル8のアンデット族シンクロモンスターを特殊召喚する、輪廻シンクロ!さらに速攻魔法、逢華妖麗譚−不知火語を発動、手札の馬頭鬼を切ってデッキから逢魔の妖刀−不知火を特殊召喚。逢魔の妖刀をリリースして除外されたカードの中から屍界の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ