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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二十四話 アスターテ星域会戦なのです。
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った。

「迎撃せよ」

 ラインハルトが躊躇なく指示する。目の前の敵集団と増援部隊を合わせて総数は25万余隻。対するラインハルト本隊は20万余隻。数の上では5万隻余りも開いているが、練度の点ではラインハルト本隊が圧倒的に有利だった。

「シャロンシャロンシャロンシャロンシャロン!!」

 通信回路をひとたび開けば、例の合唱の始まりである。帝国軍将兵はうんざりしながら、各艦隊態勢を整え、迎撃に移った。キルヒアイス艦隊、ケンプ艦隊、そしてメックリンガー艦隊は自由惑星同盟ナンバーフリート集団を相手取り、バーバラ、ビッテンフェルト艦隊を中心にラインハルト直属艦隊が新手を迎え撃つ。イルーナ艦隊は遊撃部隊として戦場をにらみ、何かあれば即座に対応できる体制を整えていた。

 だが――。

「奴ら、体当たりを仕掛けてきたぞ!!」

 帝国軍艦船に自由惑星同盟の新手の戦闘艦たちが体当たりを仕掛けてきたのである。激烈な迎撃をものともせず、まるで一つ意志のようにブリュンヒルトめがけて突進してくるのである。
 前に立ちふさがったビッテンフェルト艦隊、バーバラ艦隊は少なからず被害を受けた。

「これが、奥の手!?・・・人海戦術ならぬ人柱戦術じゃない!!」

 バーバラが愕然となった。人を人間爆弾か特攻兵器のようにして狂奔の叫びと共にぶつけてくる自由惑星同盟のシャロンサイドは気が狂っている。

「アースグリム改級、波動砲斉射、用意!!」

 ためらっている暇はなかった。動かなければ一方的にやられるまでなのである。

「奴らを人間と思うな!ただの無人艦、動く標的だと思え!!通信を傍受せず、ただ迎撃することのみに専念せよ!!」

 ビッテンフェルトも艦橋で吼えた。両将の叱咤激励により、各艦隊将兵はとりつくようにして主砲群に群がり、全力を挙げて、ミツバチのように群がってくる緑の化け物にエネルギーを叩き付けた。充填完了したアースグリム改級からの波動砲斉射が、その勢いに拍車をかける。無音の宇宙であっても、敵艦隊が四散するごとに、声なき声の阿鼻叫喚が聞こえるようだった。帝国軍将兵は狂ったように、いや、敵以上の狂奔さをもって敵艦隊を撃ち続け、ラインハルト本隊に近づけさせなかった。

 戦闘は3時間ほど続いたが、ここで珍事が起こった。不意に自由惑星同盟側は戦闘を放棄して、一斉に撤退したのである。
 それは、ラインハルト本隊だけでなく、別働部隊においても同様だった。さらに、2個集団の後方に位置していたもう一つの集団も退却したという。
 あまりにもあっけない幕切れだった。苦戦を覚悟していたローエングラム陣営の面々は意外な展開にしばし近くの僚友と顔を見合わせあったのである。
 数時から見れば、圧倒的な勝利だった。帝国軍の損害は4,851隻、対
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