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第百二十五話 ヤン艦隊の跳梁跋扈です。
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、その能力は高い。約1万余隻の増援を取り込んで、フィオーナ艦隊は約2万余隻の一個艦隊として再編を果たしつつあった。
一方、フィオーナから引継ぎを受けたルッツは、彼女以下の助言のもと、全軍の編成を進め、合わせて自由惑星同盟の動向を探っていた。
* * * * *
アルフレートは、ヤン艦隊の一員としてグリーンヒル大尉の補佐として勤務している。先の戦いで、ヤン艦隊は壊滅的な打撃を受けたが、彼にとってそれは衝撃的な事であった。不敗のヤン、魔術師ヤンが帝国軍の正体不明な指揮官に本隊をほぼ壊滅させられたのだから。
しかし、ヤンの冷静な指揮ぶり、そしてヤン艦隊の敵中枢への一矢報いた動きを見たアルフレートは、流石はヤン・ウェンリーなのだと感嘆したのだった。
戦いが終わった後、アルフレートは衝撃的なニュースをグリーンヒル大尉から聞いた。
ヤン・ウェンリーは総司令官から外されるのだと。
「そんな馬鹿な!?」
「ええ、私もそう思うわ。中尉。けれどこれは正式な話なのよ。既に辞令はティファニー・アーセルノ中将・・・・いいえ、シャロン・イーリス最高評議会議長の特命で上級大将に昇進するらしいけれど、その人が閣下の後任になるというのよ」
「閣下は、どうされるのですか?」
「艦隊の再編の為にいったんは戦線を離れるとのことだけれど、そこから先の予定は未定だわ」
いったいどういうつもりなのだろうと、アルフレートはシャロンの思惑を考えた。ヤン・ウェンリーは自由惑星同盟最高の智将だ。それをむざむざ降格させて前線から去らせるなど、常識的にはどう考えてもありえない。
「閣下はそれを承知なさったのですか?」
「承知をするも何も、従うほかないからね」
後ろで声がした。振り向くと、いつのまにやら当のヤン・ウェンリー本人が室内に入ってきていてソファーに寝っ転がっている。いつの間に、とアルフレートは思った。ヤン艦隊で勤務するようになってから、司令官の破天荒ぶりを直に目にするようになり、流石ヤン・ウェンリーなのだと折に触れて思わざるを得ないアルフレートだった。
「何故、シャロン・イーリス最高評議会議長は閣下を更迭されたのでしょうか?」
グリーンヒル大尉が尋ねた。アルフレートもそれを聞きたくて仕方がなかったので、耳を傾けた。
「私の戦いぶりが気に入らなかったからじゃないかな」
『は?』
「こんなことで取引が終わるとは思えない。終わらせるとすれば彼女は私を殺していただろうが、今のところ私は生きている。かといって一度や二度の失敗で放り出すほど短慮だとも思えない。突拍子もないかもしれないが、もっとも可能性がある説だと思う。現に私の後釜は彼女の腹心との噂の人だからね」
「この後はどうなるのでしょうか?」
「さぁね。後の事は彼女が何とかす
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