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第百二十五話 ヤン艦隊の跳梁跋扈です。
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軍の指揮は、誰が引き継ぐのですか?」
「イゼルローン方面総軍は既に大打撃を受けて、引き下がっている。アンジェのフェザーン総軍に合流する形になると思うけれど、さしあたってはあなたが指揮をとりなさい、ティファニ―」
「ですが・・・・私では不足ではないでしょうか?」
「あなたは私と同じオーラを持っている。そうであれば、彼らもあなたに対して反抗はしないはずよ」
「・・・・・・・・・」
「もっとも例の3提督、ビュコック、ウランフ、クブルスリーはあなたに従う事はないと思うけれど。そのことを心配する必要はないわ。彼らには別働部隊として行動してもらう予定でいるから」
「・・・・・・・・・」
「あなたを上級大将に昇進させ、イゼルローン総軍司令官後継者に任命する手はず、カトレーナを通じてすぐに発表させるわ。その前にヤン・ウェンリーを呼んできてちょうだい。彼と話がしたいの」
「承知、いたしました。それから・・・・第三十艦隊の件、いかがいたしましょうか」
「例のお姫様については放っておきなさい」
「カロリーネ皇女も第三十艦隊に所属していますが」
「知っているわ。ティファニー。一つ尋ねるけれど、その二人が加わったところで、私に対して何ができるのかしら?」
「それは――」
「現状でよし。ただし、二人、ヤン・ウェンリー、そしてもう一人の転生者については監視を継続の事」
「承知、致しました」

 通信を切る際、ティファニ―はちらとシャロンを見た。あれだけの大敗北を受けたことに対して、本当に苛立ちを覚えていないのか、気になったのである。

 彼女は正面を向いていたが、その眼はティファニ―を見ていなかったのを彼女は悟った。口元には濃い微笑がうかんでいた。
 その後、ヤン・ウェンリーとシャロンが何を話し合ったのかはわからない。しかし、ヤン・ウェンリーは自部隊の残存艦艇を率いていったん後方に撤退することが決定した。再編と補給を行うためである。

* * * * *
 イゼルローン要塞にいる帝国軍もまた、補給と補充、再編成に余念がない。
 壊滅的な打撃を受けたフィオーナ艦隊はその立て直しに迫られていた。立て直しに当たってフィオーナはルッツの了承を得たうえで、いくつかのオーダーを帝国軍後方総司令部(補給、補充等を機能的に行うべく設置されたもの。総司令官はケスラー。)に出した。それはほどなくして帝国軍本土からきた増援部隊にそれが如実に表れていた。

 第一分艦隊司令ミュイル・リュクセレ少将4,508隻

 第一遊撃部隊司令ティルジット・クレイシス少将5,069隻

 前衛艦隊司令マリア・フレイル准将1,029隻

 いずれも女性士官学校出身者であり、気心の知れた存在だった。特にティルジット・クライシス少将及びマリア・フレイル准将は転生者であり
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