蒼紅:第三十六話 聖者
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ため、自身も命を捨てる覚悟がなければ繰り出すことが出来ないという、これぞ諸刃の剣と呼ぶに相応しい大技だ。
GVとソウはそれは知らないが、テンジアンの執念の技がそんな生半可な物ではないと判断し、必死に冷気をかわしていくが…。
「ぐっ!?」
最後に放たれた大規模の冷気の回避が間に合わずにソウの右足が凍結し、動きを止める。
「ソウ…せめてお前だけでも…砕け散れぇ!!」
決死の第七波動の冷気を纏わせた剣で斬りかかるテンジアンだが、その刃が振り下ろされる前にGVが間に入った。
「兄さんはやらせない!霆龍玉!!」
刃に霆龍玉を叩き込み、雷撃を盾代わりにする。
「ガンヴォルト…!」
「お前がテーラを…彼女を守るために戦っているように…僕にも守りたい人がいる…!だから僕はお前がどれだけの力を振るおうと決して退かない!!」
テンジアンの体が限界を迎えたのか、冷気はみるみるうちに弱くなっていく。
ソウの体を拘束する氷も脆くなり、紅き雷霆の力で氷を砕いた。
「テンジアン!!」
「ソウ!!」
ダッシュで急接近するソウはチャージセイバーで斬りかかり、テンジアンもまた剣を振り下ろすが、剣はチャージによって強化された雷撃の刃によって粉砕され、そのままテンジアンを両断した。
「がは…っ…!パン…テーラ…!!」
テンジアンは妹を守れなかったことを無念に思いながらソウを見つめる。
「…お前に…詫びはしない。これが俺の選んだ道だ…その代わり背負っていく。お前の魂を…そして…出来ることなら…守りたい……お前の…大切な物を…」
「………君は…本…当に…不器用な…男…だ…」
悲痛そうな表情を浮かべるソウに…そして彼の言葉に安堵したテンジアンは最期に苦笑を浮かべて体が膨張、爆発してしまう。
宝剣も粉々になり、そこからミラーピースが発見された。
「………」
「兄さん…」
「…行くぞ…そして終わらせて帰るぞ…あいつを含めたみんなでな」
「っ…!うん…!!」
兄の言葉にGVは笑みを浮かべて共に奥へと進んでいった。
この先にあるかつての強敵を乗り越えて…。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ