第百九話 鱈と共にその二
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「そっちのゴンベッサも食えるけどな、淡水産の」
「それでもなのね」
「どっちでもまずい」
「成程ね」
「あの魚は」
どうしえもというのだ。
「お勧めせん」
「食べるには」
「どうしてもな」
「いや、食べられることが第一にしても」
カマンダは今も気取った仕草である、今は浴衣姿であるがそれでも随分と洒落た仕草で話をしている。
「それでもですね」
「味はね」
フルルは今度はカマンダに応えた。
「やっぱり大事ね」
「ほんまそうですね」
「美味しく食べられるなら」
「それに越したことはない」
「餓えを乗り越えたら」
「そのこと自体が難しいにしても」
アフリカのことも考えつつだ、カマンダは述べた。この場合のアフリカは起きた世界のアフリカである。内戦や災害、気象の為まだそうした地域があるのは事実だからだ。
「飢餓の後は」
「ええ、味もね」
「考えないと駄目ね」
「そうなるわ」
「やはりね」
「それこの鱈は」
今度はアチェベが言った。
「美味い」
「そうなのよね、随分とあっさりしていてね」
アレンカールはアチェベに答えた。
「骨もよく取れて皮までね」
「美味しいですね」
「いいお魚よ」
こうまで言うのだった。
「結構多くの国で食べられてるけれど」
「こうしてお鍋にしても」
ここでクッツェーも言ってきた。
「いいですね」
「そうなのよね」
「味があっさりしている分」
鱈のそれがというのだ。
「何でも合うと」
「色々な調理が出来るのよ」
「そういうことですね」
「ムニエルやホイル焼きにしてもいいし」
「はい、そしてお鍋にしても」
「いいのよ、ではね」
アレンカールはアフリカの星の者達にあらためて話した。
「食べましょう」
「それでは」
こう話してだ、そのうえで。
一同は鍋を食べはじめた、その味はアレンカールが言う通りに美味く一行は食が進んだ。そしてだった。
ホンワナも鱈を食べて言った。
「この味はええな」
「確かに」
ファラーも食べつつ頷いた。
「かなりのものです」
「豆腐や葱もええ」
「あと茸も」
「色々入れている様で味の調和が取れてるわ」
ホンワナはまた述べた。
「これはええ」
「しかも栄養もあります」
ファラーはこのこともよしとした。
「いいお料理です」
「そやな、酒にも合うしな」
「美味いわ」
ウスマンも飲みつつ述べた。
「日本酒もな」
「最近日本酒が美味しいと思えて仕方ないです」
ファラーは飲みながら話した。
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