オセロで白と黒をひっくり返していると性別までひっくり返りそうに思える話
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を消そうとしたら、慌ててしまい「もう」まで消してしまった。
さらに焦る隼人。
そこで相手から『ありがとう』というメッセージが来てしまった。
(やべ! ログアウトされちまう!)
隼人は慌ててエンターキーを押した。
『やらないか』
そんな文が送信されてしまう。
(なんかちょっと変な感じになったぞ……通じんのか?)
不安しかなかったが、とりあえずログアウトはとめられたようだ。相手の名前が消えることもなければ、「退席しました」のメッセージも出ない。
ホッとした隼人は、今度は落ち着いてもう一文補足した。
『先攻後攻入れ替えてもう一回やらないか?』
すると、返事が来た。
『よろしく』
めでたく、今度は隼人の先手・黒で二戦目が実現した。
隼人は気合を入れて対戦を始めた……
……ものの。
(ぁあ?)
まだ最後までやっていないのに、全部の石が白になってしまった。
(これ、パーフェクト負けってやつじゃねーか……)
呆然とモニタを見つめる隼人。
そこに後ろから声が飛ぶ。
「スゲー! 兄ちゃん、こいつめっちゃつえーじゃん?」
隼人が振り向くと、そこには黒いタンクトップ姿で中学二年生の弟・日向がいた。いつのまにか後ろで観戦していたようだ。
「オレにもやらせて!」
パソコンチェアごと強引に隼人をどかすと、日向はパソコンの前に立て膝になった。
「あ、いいけどアカウント変え……あ、こら」
とめる前に申し込みボタンを押してしまった。
彼もパソコンは持っていないのだが、今ちょうど中学の授業でパソコンをやっているらしく、隼人よりもタイプが速い。
バドミントン部所属のため色は白いが、かなり引き締まった両腕を伸ばし、日向はカタカタと軽快にキーを叩く。
『お前つえーなwwwもう一回やろうぜ!』
そんなテキストメッセージを相手に飛ばしたようだ。
隼人は慌ててパソコンチェアから離れ、弟の肩を掴む。
「お前……しゃべりかた、もうちょっとなんとかしろよ。中身変わったのが向こうにバレるだろーが」
「だいじょーぶだって! どうせ相手とリアルで会うことなんてないだろ?」
「そういう問題じゃねえよ!」
憤慨する隼人だったが、相手も承諾ボタンを押したようだ。
「よろしく」という返事も来て、相手の先手、日向の後手で三戦目が開始された。
隼人はパソコンチェアに座り直さず、横で観戦した。
割と日向は善戦しているように見えた。途中、かなり白が多くなり、隼人は感心してしまう。
「へー。お前、けっこうやるな」
だが日向の表情はやや厳しい。
「兄ちゃんはどうせ知らないと思うけどさー。
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