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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第59話 冷血なる虫使い!対決トミーロッド!
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らもボクはイッセーの方に視線を向ける。


(……何故倒れない?)


 イッセーは膝立ちのままでその場に立っていた、今頃虫たちに食い殺されているだろうがそれなら死体は倒れるはずだ。なのに何故未だに倒れないんだ?


(本当に死んだのか?)


 スープを手に入れるにあたって一番の障害となるのは間違いなくイッセーだ。もしあいつが生きていたら不意をついて攻撃してくるかもしれない。万が一それが当たってしまったら面倒だな、痛いのは好きじゃないし。


「やはり虫どもでは安心できないな……」


 よし、あのゴミ共の言ったことを実行してやろうじゃないか。ボクの手でイッセーの心臓をつぶして確実に殺そう。


 ボクはそう決断すると迷うことなくイッセーに向かっていく。


「確実に殺しておこう、イッセー!二度と這い上がれない深淵に深く沈みな!!」


 そしてボクの一撃がイッセーの心臓をつぶして……


「よう。やっとこうやってお近づきになれたな、トミーロッド……」


 だがボクの攻撃は何かに捕まれて止められてしまった。そして虫たちが四散していきそこから現れたのは赤い鎧を纏ったイッセーだった。


 ボクは即座に反撃しようとするが腹部に痛みを感じた、それはイッセーの腕だった。


「10×2で20連!ブーステッド・釘パンチ!!」


 凄まじい衝撃を受けたボクは乱回転しながら氷の壁に激突した。そしてゆっくりと立ち上がるが口から大量の血が流れ出て膝をついてしまう。


「何故……生きている?その鎧で虫たちの攻撃をガードしたのか?」
「生憎それだけ長くは意地出来ねえんだ。鎧を出したのはお前を攻撃する為さ」


 イッセーは鎧を解除するとボクに向かって歩いてくる、だがその際に奴の体から漂うある匂いを嗅いで心底不快な気分になる。


「お前、その匂いは『精油』……エッセンシャルオイルか!?」


 ボクの最も嫌いな匂い……『フォトンチッド』を自ら生み出しやがった。グルメ細胞の持つ自己防衛本能が働いたのか?どの土壇場で?


「これでもう虫たちは襲ってこない。ようやくお前とサシでやり合えるって訳だ!」


 イッセーはボクの眼前まで来ると見下すようにボクを見ていた。


「立てよ、トミーロッド。ここからは本当の野生の勝負だ、俺の野生をお前に存分に教えてやる……!」
「バカが……虫たちに殺されていた方が良かったと後悔させてやる……!」


 怒りの形相を浮かばせてイッセーを睨むボク、だがそこに少しだけの期待感と充実感を感じていた。


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