暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第59話 冷血なる虫使い!対決トミーロッド!
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。そしてスープが堪っているはずの場所に手を伸ばす。
(センチュリースープは透明度が高いわ。だから目に見えないだけで実際はちゃんと……)
だが私が触れたのはスープではなく冷たい氷の大地だった。センチュリースープはもう無い、その現実が私の中に重く圧し掛かってくる。
「あ―――――っ!!」
その時だった、どこかで聞いた大きな声がこの広い空間に響いたの。声がした方を見るとそこにはゾンゲがいたわ。彼らもここに無事にたどり着いていたのね。
「なんだこりゃあ!?スープがな……」
ゾンゲがスープが無いと叫ぼうとした瞬間、男性は彼の眼前に素早く移動して指を肩に突き刺した。
(あれはノッキング!?)
彼の行った事は船でイッセーがグレイトレッグを指でノッキングした光景と同じだった。でもイッセーよりも鮮やかで無駄のない動きだったわ。
「う、うわあぁぁあ!?ゾンゲ様が!?」
「安心しろ、ノッキングしただけさ」
ゾンゲの部下達が騒ぐけどやっぱりノッキングしただけだったみたいね。
「ふぅ、危なかった。危うくスープが無え事がバレてしまうところだったな」
……あら?今彼普通に話しちゃったわよね?盗聴器があるのにスープが無いって言ったわよね。
私はチラッと男性を見る、彼はいかにもやっちまったぜと言わんばかりの表情になっていた。
「な……なにやってるのよ!バカ――――――ッ!!?」
そしてアイスヘルの氷山に私の叫び声が木霊するのだった。
―――――――――
――――――
―――
side:??
『なにやってるのよ!バカ――――――ッ!!?』
「……」
場所は変わってここは砕氷船の中、そこにカーネルがモニターでリアス達の会話を盗聴していた。
「ふん、やはりスープはなかったか。前からその情報はあったので懸念はしていたが残念だ」
カーネルは落胆した様子を見せると船に設置された無線で部下達に指示を出し始める。
「船を出せ、この大陸から出るぞ」
『島に残った美食屋達はいかがいたしましょうか?』
「全員置いていく。ジョアの話ではイッセーは我らの邪魔になる可能性があるそうだ、この大陸で死んでもらうとする」
『はっ!』
カーネルはそう言うと高級そうなソファにドカッと座り込んだ。
「センチュリースープは惜しいが『獅子豚』に『瑠璃亀の涙』、『無限ブドウ』……まだまだ魅力的な食材はわんさかある。さてジョアよ、次の食材はなんだ?」
そしてカーネルを乗せた砕氷船はゆっくりとアイスヘルを離れていくのであった。
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