第44話
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――それでは”執行者”のような”本物の使い手”達と渡り合う事はかなり厳しいですわ。」
「…………はい。それは自分でもわかっていました。私一人ではルーファス卿や”赤い星座”の隊長クラスの猟兵達とは渡り合えなかったでしょう。」
剣と盾を納めたデュバリィの指摘にエリスは反論することなく静かな表情で答え
「まあ、幸いにも貴女の場合、単独で”執行者”達のような達人クラスの使い手と渡り合うような機会は訪れない可能性の方が高いと思いますが、”戦争”は”何が起こるかわからない”のですから今から”備え”をしておく必要があるのも事実ですわ。」
「はい。これからのご指導、お願いします…………!」
「えっと………これは一体どういう事になっているんだ…………?」
デュバリィの言葉に頷いたエリスがデュバリィに頭を下げると困惑の表情のリィンが二人に近づいて問いかけた。
「兄様。腕を鈍らせない為にも先程剣の素振りをしていた所にデュバリィさんに声をかけて頂き、話の流れで剣技もそうですが戦い方についてデュバリィさんに教えて頂くことになったのです。」
「デュ、デュバリィさんが…………?一体どうしてデュバリィさんがわざわざエリスを…………」
エリスの話を聞いて驚いたリィンは戸惑いの表情でデュバリィに視線を向け
「マスターに頼まれたからですわ。」
「へ…………どうしてサンドロット卿がデュバリィさんにエリスを…………」
「”騎神”の”起動者”は貴方も含めて生身でも相応の使い手が多いですが、”紅の騎神”と”金の騎神”の起動者――――――つまり、皇太子とエリスだけはそれに当てはまりません。敵勢力に利用されている皇太子はともかく、エリスの身を心配したマスターより機会を見て、万が一敵勢力がエリスを狙ってきた時にエリス自身が身を守れるように鍛えて欲しいと頼まれているのですわ。マスターの推測ですと、恐らく敵勢力にとってエリスが”金”の”起動者”に選ばれる事は想定外でしょうから、今後の計画の修正の為にエリスを狙う可能性も考えられなくもないとの事ですので。」
「それは……………………わかりました。そういう事でしたら、俺も協力します。」
デュバリィの話を聞いて真剣な表情を浮かべたリィンはデュバリィに協力を申し出た。
「結構です。――――――というか貴方の場合エリスの指導者として絶対に向いていませんから、むしろ迷惑ですわ。」
「ど、どうしてですか?」
しかしあっさり断ったデュバリィの答えを聞くと戸惑い気味に訊ね
「妹を溺愛している貴方ですと、指導の内容が甘くなる事は目に見えていますので。」
「う”っ…………た、確かにエリス達の事は”兄として”大切にしていますけど”溺愛”って程じゃ…………」
ジト目のデュバリィに指摘されたリィンは唸り声を上げた
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