第44話
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未然に防ぐ為に模擬戦をしてもらったんです。」
「子爵閣下のご息女――――――”アルゼイド流”の跡継ぎの方が”猟兵王”の娘と…………?一体どのような事があったのでしょうか?」
リィンの説明を聞いて新たな疑問を抱いたクルトは不思議そうな表情でリィンに訊ねた。そしてリィンは二人に一時期微妙な関係になっていたラウラとフィーの事を説明した。
「なるほどねぇ…………その”光の剣匠”の娘とやらは周りの連中に合わせて本気を出さずに力をセーブしていたその”猟兵王”の娘って奴の考えが気に食わなくて微妙な関係になっていたから、模擬戦する事を嫌がっていた俺が模擬戦をやりたがっているクルトとその二人みたいになりかねないと思った訳か。」
「他にも理由はありましたけど、さっきの先輩とクルトは当時の二人と重なっている部分もありましたから、そうなる前に念の為に先に手を打たせてもらったんです。」
「…………その、すみません。僕の我儘でお二人にご迷惑をおかけしてしまって…………」
事情を聞いた後のフォルデの指摘にリィンが苦笑しながら答えるとクルトは気まずそうな表情を浮かべた後二人に謝罪した。
「ハハ、そんなに気にしなくてもいい。そもそも、普段から人から誤解されかねない事をしている先輩にも非があるだろうし。」
「おーい、さっきから気になっていたがトールズから戻ってきたお前の俺に対する扱いが酷くなってねぇか?」
クルトの謝罪に対して苦笑しながら流したリィンにフォルデは冷や汗をかいて疲れた表情でリィンに指摘した。
「先輩の気のせいでは?――――――それよりもクルトさえよければ、この戦争が終わった後になるけど、”もう一人のヴァンダール流槍術”の使い手を紹介する事はできるけどどうする?」
「え…………他にも”ヴァンダール流槍術”の使い手がいるのですか!?」
リィンの提案に目を丸くしたクルトは驚きの表情で訊ね
「ああ。その人物――――――フランツ・ヴィントは俺やステラの同期生で、先輩の弟で、先輩程の使い手ではないけど”ヴァンダール流槍術”を修めている。」
「ちなみにフランツは俺と違ってクソ真面目な野郎だから、お前とも結構話が合うと思うぜ?…………そういえば確かあいつの所属はエイリーク皇女殿下の親衛隊だから、ひょっとしたらこの戦争で会えるかもしれないんじゃないか?エイリーク皇女殿下とエフラム皇子殿下も”エレボニア征伐”に参加しているらしいしな。」
「ええ。エイリーク皇女殿下達は現在エレボニア帝国と隣接しているメンフィル帝国領の一つであるユミルに駐屯しているとの事ですから、ノルティア方面―――特に”ルーレ”に侵攻する際には行動を共にする事があるかもしれませんね。――――――っと、すまない。エレボニアが故郷であるクルトにとっては正直あまり聞きたくない話を聞かせてしまって。
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