第44話
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擬戦でもあるんだから、お互いの技をぶつけ合う道場でやるような”手合わせ”じゃないんだぜ――――――っと!」
「く…………っ!?」
対するフォルデは疲労している様子は一切見せておらず、クルトの問いかけに対して苦笑しながら答えた後懐から取り出した投擲用の短剣をクルト目掛けて投擲し、投擲された短剣をクルトは双剣で防御した。
「そら、お望みの”ヴァンダール流槍術”だ。そらあああぁぁぁっ!」
「しま――――――ぁ…………」
そしてクルトが短剣に気を取られている隙にクルトに一気に詰め寄ったフォルデはクラフト――――――スラストレインを放ち、フォルデが繰り出す目にもとまらぬ刺突の雨を咄嗟に双剣で防御したクルトだったがフォルデが止めに放った渾身の一撃によって双剣は弾き飛ばされ
「チェックメイトだ。」
「――――――そこまで!」
双剣を弾き飛ばしたフォルデがクルトに槍の切っ先を向けるとリィンが終了の合図を出した。
「”ヴァンダール流双剣術”の基本技”レインスラッシュ”…………まさかあの技を槍であんな風に放つことができる上、それも双剣よりも遥かに威力や速さもあるなんて…………完敗です。悔しいですけど、リィン少佐の言っていた通り、フォルデ大尉はいつでも僕を無力化できたんですね。」
呆けた表情でフォルデが放った技を分析して呟いたクルトは若干悔しそうな表情でフォルデを見つめた。
「ま、元々武器の相性もそうだが、クルトは俺に”本気”を出させる為に最初から飛ばしてくれたからな。もう少し慎重になっていれば、さっきの技を回避できたかもしれないし、他の技を見る事ができたかもしれないぜ?ああそれと、さっきの技の名は”スラストレイン”だ。」
「…………はい。戦闘開始前にリィン少佐から貴方の伝位が”皆伝”だと知らされたにも関わらず、貴方に”本気”を出させる為にムキになって体力の配分も考えずに全力で剣を振り続けた僕の落ち度です。」
フォルデの指摘に静かな表情で頷いたクルトは先程の模擬戦の自分を思い返して複雑そうな表情をした。
「フウ………予想とは違った結果になったようですけど、双方互いに納得がいく模擬戦になって何よりです。」
するとその時審判を務めていたリィンが二人に近づいて二人を見比べて苦笑し
「いや、俺はまだ全然納得していないんだが?――――――リィン、何でわざわざ俺に模擬戦をやらせたんだ?」
フォルデは疲れた表情で溜息を吐いた後リィンに問いかけた。
「ハハ…………実はフォルデ先輩とクルトの様子を見て、Z組にいた時の出来事を思い出したんです。クラスメイトのラウラ――――――”光の剣匠”の娘と”猟兵王”の娘で、自身も元猟兵であるフィーも一時期微妙な関係になっていましたから、先輩もクルトがその時のラウラとフィーのような状況に発展しかねないと思って、それを
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