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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第44話
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二人の間の中央に立っていた。


〜訓練場〜

「――――――それでは今から模擬戦を始めますけど…………フォルデ先輩、わかっているとは思いますけどこの模擬戦は”実戦”の経験が不足しているクルトを鍛える意味もありますから、模擬戦をさっさと終わらせる為に最初から”本気”で戦わないでくださいよ。」
「チッ…………読まれていたか。こういう時に限って、俺の性格を把握している奴は厄介だねぇ。」
リィンの念押しに舌打ちをしたフォルデは苦笑し
「――――――待ってください!確かに僕はリィン少佐の言う通り、リィン少佐達と比べると”実戦”の経験が足りませんがヴァンダール流の”中伝”を授かっています!ですから、手加減は不要です!僕はフォルデ先輩の”本気”――――――フォルデ先輩が修めている”ヴァンダール流槍術”の”全て”が知りたいんです!」
クルトは真剣な表情でリィンを見つめて反論した。

「――――――それは無理だな。クルトとフォルデ先輩の実力の差は”あまりにも離れすぎている。”…………先に教えておくが、フォルデ先輩は普段はいい加減な態度で、サボり癖があるにも関わらず”軍人”を続けられている事に疑問を抱くかもしれないが、戦闘能力に関しては先輩の同期生の中では先輩は文句なしのトップの実力だったとの事だし、先輩は”ヴァンダール流槍術”の奥義皆伝者でもある。――――――それこそ、フォルデ先輩が”本気”を出せば、君の母親――――――オリエさんとは最低でも互角…………もしかしたら、君の父親――――――”雷神”やかの”光の剣匠”にも届くかもしれない。」
「な…………っ!?」
「おーい、褒めているように見せて何気に俺をディスっていないか、後輩隊長さんよ〜。」
しかしリィンの説明を聞くとクルトは驚きの声を上げてフォルデを見つめ、フォルデは苦笑しながらリィンに指摘した。
「俺は事実を言ったまでです。――――――双方、構え。」
フォルデの指摘に対して静かな表情で答えたリィンは号令をかけ、リィンの号令によって二人はそれぞれの武装を構え
「――――――始め!」
リィンの合図によって模擬戦を開始した。

クルトはフォルデに”本気”を出させる為に最初から全力でフォルデに挑んだが、対するフォルデは言葉通りまさに”柳に風”のようにクルトが繰り出す剣技を受け流したり、躱したりしつつ時折カウンターを放ってクルトとまともに相手にしなかった。

「ハァハァ…………クッ…………時折反撃をするだけで、自分からは攻撃をしない上肝心の”ヴァンダール流槍術”の技も見せないなんて、そこまで僕は貴方の相手として不足しているんですか!?」
模擬戦による疲労で息を切らせているクルトは唇を噛み締めてフォルデを睨んで問いかけ
「いや、リィンも言ったようにこれは”実戦”を想定した模
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